使い慣れた道具は、できればそのままの形を永遠に引き継いで欲しい、と考えるのは当然です。
特に、毎日利用しているものであれば、その思いは更に強くなります。
利用している人の事を考えて新しい機能を追加したり、操作方法などを変更したりすることに、メーカーは拘りますが、実際には、ユーザーの全ての要求を満たすことは非常に困難です。
そのツールの最も基本的な部分を、大きく変更するような場合には、その評価が大きく分かれる傾向にあるようです。
現在、最も利用されているパソコン用のOSである「Windows」は、現在の「Windows 8」を開発する段階で、それまでの操作画面を変更しました。
しかも、基本操作の方法も含めて全面的に変えてしまいましたので、それまでの歴代のOSを、長年愛用してきた人ほど、戸惑ってしまう現象が世界中で話題となりました。
将来的には、タブレットタイプの通信端末が、主に利用されるようになることが予想されているのが現状です。
そのため、時代を先取りして画面上の表示を指で触ることによって、操作を行う手法に適した操作画面を、初めて採用したと言う経緯があります。
実際には、これまでのように、キーボードと、マウスを使用して、パソコンを操作する人の割合が、まだまだ多い状態で、急激な変化を行ったことには、ユーザーからのクレームも多数あったようです。
しかし、どうやら次期OSでは先祖返りを果たしそうです。
実際に、正規版が販売されるのは2015年の後半になることが予想されています。
すでに、評価版を利用した人の感想が、インターネット上にはあふれているようです。
Windows 10で復活?
Windows 8の次期OSとして、開発中のOSである「Windows 10」です。
「9」ではなく、その次の「10」を使用することに付いては、対応する端末が大幅に増加する上に、対応する環境も、パソコンから、テレビ、クラウドまでを含めた、包括的なものとなります。
そこで「9」を飛ばして「10」と、名づけることで、OSとして、大きく進化することを表しているようです。
進化しただけではなく、2つ前のOSである「Windows 7」までの操作方法(特に「スタート・メニュー」)を、ある程度まで復活した点は最も歓迎される部分です。
実際には、Windows 8で採用された操作画面も、同時に表示されるようですが、いいとこ取りをした、と好意的に評価することもできます。
他にも、Windows 8から採用された機能が、複数採用されています。例えば、新しいアプリケーションを、ストア経由で購入する方法はそのまま引き継がれます。
もちろん、過去に購入したアプリも、そのまま利用することができます。
しかし、Windows 8では、ストアアプリを起動すると、常に全画面で表示されますが、それが、次期OSでは、その他のアプリケーションと同じようにウィンドウ形式で表示されます。
おそらく、この変更も、現行のWindows 8のユーザーからの意見によって対応したのではないでしょうか?
Windows 10の新機能は?
復活したスタート・メニューですが、その左側は、以前とほぼ同じようなデザインです。
右側には、Windows 8で採用された「ライブタイル」と呼ばれるデザインで、アプリの選択画面が開きます。
その他の新機能としては、1つのアプリで、同時に開いている複数のウィンドウを、最大4つの画面で、同時に表示できる機能や、クリックすると、現在起動しているアプリなどの一覧が表示され、簡単に切り替えができる「タスクビュー・ボタン」が、タスクバーに追加されました。
また「仮想デスクトップ」機能の追加により、作業内容によって、複数のデスクトップを、簡単に切り替えることが可能となります。
これは、すでに説明したタスクビュー・ボタンでも、切り替えが可能です。
例えば、複数の仮想デスクトップを追加して、それぞれ「趣味用」「仕事用」などとして、それぞれに異なる組合せのアプリを起動しておき、状況によって必要な作業環境へすぐに切り替えることができます。
更に、画面にタッチして操作する機能と、キーボードと、マウスを使用して操作する機能の切り替えが、簡単にできる、UI(ユーザー・インターフェイス)切り替え機能も採用されています。
Windows 10には期待しますか?
以前から、歴代のWindows OSを使用して、毎日のパソコンライフを送ってきた人のうち、操作方法の確認をせずに、とりあえずWindows 8に乗り換えた人は、かなりの数になると思います。
現在のニュースで判断できる範囲内で、次期OSを評価するとしたら、そのような人達にとっては、大変な朗報ではないでしょうか?
もしかしたら、歴代のOSの中でも、トップクラスの操作性を、実現するかも知れません。
しかし、実際に正規版をインストールして、使用してみるまでは、あまり期待しない方が良いのかも知れません。
これは、パソコンのOSに限らず、大幅にモデルチェンジした新製品の購入を、検討している場合に必要となる心構えの一つです。
しかし、はやる心は、止められそうにありません。