パソコンなどの通信端末のネットワーク設定を手動で設定する際に、かならず目にする事になる設定項目が「デフォルト・ゲートウェイ」です。
通常は、その端末の接続しているネットワークの中継地点に、設置されているルーターのIPアドレスを設定しています。
しかし、このデフォルト・ゲートウェイの役目は、どのようなものなのでしょうか?
ネットワークの仕組みを説明する際には「ゲートウェイ」と言う用語も、たびたび利用されているようです。
「デフォルト」の部分とは、切り離して考える必要があるかもしれません。
この用語の意味を理解していなくても、ネットワーク設定の際にIPアドレスを自動で取得する設定にしておけば通常は問題ありません。
しかし、ネットワークを理解するためには、この用語の意味をぜひ理解しておきたいところです。
デフォルト・ゲートウェイとは?
「デフォルト・ゲートウェイ(default gateway)」は、ネットワークに接続されたパソコンなどの通信端末が、データを送信する際に、送信する相手までの経路が、不明である場合に備えて、一応の送信先として、通信端末にあらかじめ設定されているIPアドレスです。
通常は、ルーターが、デフォルト・ゲートウェイとして、データの最初の送信先となります。
そのため、ルーターに独自に設定されたIPアドレスを、デフォルト・ゲートウェイのアドレスとして入力します。
IPアドレスを自動で取得する設定にしておけば、この入力は通常であれば不要です。
もともと「ゲートウェイ(gateway)」という用語は、あるネットワークを、通信規格(プロトコル)の異なる他のネットワークへ接続する機能をもっている中継地点を意味しています。
デフォルト(default)は、通信用語としては初期値・既定値を意味します。
デフォルト・ゲートウェイは、端末が接続されているネットワークから、インターネットを含めた、外部のネットワークへ接続する際の「出入り口」となります。
そのIPアドレスが、間違った数値で設定されていれば、いつまでたっても、外出する事ができません。
手動で、デフォルト・ゲートウェイのIPアドレスを入力する時に、その数値が不明であれば、一度IPアドレスを自動で取得する設定に変更してネットワークへ接続します。
それによって、正しい数値が自動で設定されます。その入力された数値を後から確認すれば正しい数値が判明します。
デフォルト・ゲートウェイの役割
外出する時に、必ず通る必要がある玄関のような役割をしているデフォルト・ゲートウェイです。
通常は、一カ所のみ存在しているデータの出口であり同時に入口でもあります。
この他には裏口などは存在しません。
データを送信する相手が、同じネットワーク内に存在していない場合、データを送信する端末の側では、送信先の端末が接続されているネットワークを確認する手段がありません。
そのような場合に、インターネットを含めた、他のネットワークのどこに、送信先の端末が接続されているのかを判断するのが、デフォルト・ゲートウェイとして、設定されているルーターなどの機器の役目となります。
データを送信する相手が、インターネット上にあるWebサイトであれば、パソコンなどの通信端末は、「DNS(ドメイン・ネーム・システム)」を利用して、そのサイトのURLから、IPアドレスを確認します。
そして、その情報を添付した送信データを、デフォルト・ゲートウェイへ送ります。
受け取ったデフォルト・ゲートウェイが、送信先のIPアドレスを確認して、正しい送信先へ接続されている、次の中継地点へ向けて、更にデータを送り出す事を何度も繰り返す事により、最終的には、目的としたWebサイトへ、データを届ける事が可能となります。
デフォルト・ゲートウェイは水先案内人
データの送信先が、別のネットワークに接続された端末である場合に、その行き先を判断してくれるデフォルト・ゲートウェイは、データ通信にとっては、重要な存在である事が分かりました。
このような機能を持っている通信機器が、多数存在する事によりネットワークの利用が可能となっている訳ですが、通常はその存在を認識する事はありません。
それでも、毎日インターネットを含めたネットワークを利用したサービスを、問題なく利用できている、という事実が、多数のデフォルト・ゲートウェイがその役割を果たしているという証拠です。