物持ちのよい人だと、すでにメーカーのサポートが終了したOS(オペレーティングシステム)が入っているパソコンを、いまだに大事に使っていると思います。
そのパソコンのなかにあるファイルを開いたり、年末近くになると年賀状ソフトを利用したり、といった使用方法が通常です。
特に、新しいパソコンにオフィスソフト(ワード、エクセル等)が入っていないときや、入っていても、古いバージョンのソフトに慣れている人にとっては、古いパソコンも存在価値があります。
しかし、その古いパソコンでインターネットを利用する場合は、どうでしょうか?
メーカーのサポートが終了すると、OSの不具合や、セキュリティ面での問題(セキュリティ・ホール)を解決する手段が存在しない状況にあるパソコンを、インターネットへ接続することには、不安を感じてしまうのが一般的な反応です。
セキュリティ対策ソフトをインストールすることにより、この不安を感じる必要がなくなるのでしょうか?
古いパソコンは危険なの?
インターネットへ接続していない状態で使用するぶんには、古いパソコンの利用を不安視する必要はありません。
ただし、一点だけ気にする必要があるのは、今まで無線LAN(Wi-Fi)環境で利用してきた場合です。
この場合は、無線親機を交換しないかぎり、それまでWi-Fi接続してきた状態が継続するわけですから、パソコンの側で、無線LANの子機の機能を止めてしまう必要があります。
これを怠ると、インターネットへ接続した状態が継続してしまいます。
古いパソコンと表現していますが、現在、そのパソコンで利用しているOSよりも、さらに新しいタイプのOSに入れ替えることができれば、インターネット上の脅威にも対抗できる可能性があります。
もちろん、入れ替える方の新しいOSが、メーカーのサポートを受けることができるOSである必要があります(例 Windows XPから、Windows Vista SP2等へのアップグレード)。
このようなアップグレードをおこなって、サポートの終わっていないOSと、ウィルス対策ソフトをインストールすることができれば、インターネットへの接続により、問題が発生する可能性は極端にさがります。
古いパソコンはどうすればいいの?
インターネット以外で利用するのであれば、そのまま所有していても問題はありません。
できれば、インターネットから接続を外すタイミングで、ウィルス対策ソフトを利用した、ウィルスのフルスキャン(完全スキャン)をおこなうことをおすすめします。
なぜなら、古いパソコンの情報をUSBメモリー等で、新しいパソコンへ移動するさいに、ウィルスやスパイウェア等の不正なプログラムまでも運んでしまう可能性があるからです。
そのメモリーの中身を新しい方のパソコンでウィルススキャンしても、かまいません。
すでに、動作不良などにより利用できなくなった、古いパソコンを廃棄する場合ですが、分解して中のハードディスを取り外すか、データを記憶しているハードディスクの情報が記憶されたディスク部分を完全に破壊することによって、中のデータを取り出すことを防ぐことができます。
それが困難であれば、データの完全消去を約束してくれる業者へ処分を依頼することをおすすめします。
単なるハードディスクの消去、初期化では、容易にデータを復旧することが可能です。
仕事関係の情報や、個人間の連絡先、金融機関との取引情報等が保存してあった場合は、特に注意が必要です。
古いパソコンは、使用できないの?
インターネット以外での使用であれば、手になじんだパソコン等の機器を利用する方が、仕事の能率の面でもメリットがあるでしょう。
万が一を考えたら、その機器で作成したファイルをUSBメモリーへコピーして他のパソコンにさしたときは、ウィルス対策ソフトを使用したウィルススキャンをおこなうことが必要になります。
もっとも、このUSBメモリーのウィルススキャンという動作は、どんなに最新のOSを利用しているパソコンからのファイルをコピーする場合であっても、習慣化すべきものです。