M2Mは機器同士の会話方法

機械と人間の関係はかなり微妙です。

機械だけに全ての判断を任せることで、大きなトラブルの発生を、防ぐことができるようになればそれが一番です。

しかし、その機械の設計は、人間が行っていますので、機械のみで全ての判断を行ってしまうと、設計したときには認識できなかったミスが、大きなトラブルを引き起こす原因になる化膿性があります。

それでも、機械のみで対応することによって、明らかに現在よりも状況が好転するのであれば、人間が介在しない方法も考慮すべきです。

 

M2Mとは?

中間に、人間が介在しない形で機械同士が通信することによって、必要なデータの受け渡しを行う形態を「M2M(Machine to Machine)」と呼んでいます。

人間が、センサーなどのデータの確認を行って、その判断に基いて必要な操作を行っていたのが、これまでの形態でした。

それに対して、データ収集から、その分析、判断までを、作業機器や、センサーとネットワークで接続されたコンピューターが直接行うものです。

 

人間が、直接対応した場合に発生する単純なミスや、個人的な思惑による、偏った判断によって発生するトラブルを防ぐ狙いがあります。

また、人間の能力では、とても判断が追いつかないような、大量のデータの処理と、内容の解析を必要とする場合などには必須の技術となります。

 

例えば、これまで1ヶ月に、1度だけ行っているガスや電気の検針を例にしましょう。

すでに、電話回線などを利用した自動検針が、一般的ですがそれをリアルタイムで行うとしたらどうでしょうか?

ガスメーターなどの端末から、現在の使用状況をデータ化したものが、ネットワークを経由して、リアルタイムで、そのサービスを提供している会社のコンピューターへ送信する仕組みが、もしも存在すればどうなるでしょうか?

このデータを送信する方法に付いては、複数考えられます。

そのメーターを設置している家庭のWi-Fi環境を利用するのかそれともメーター毎に単独で、インターネットへ接続する機能を搭載するのか等々の可能性があります。

しかし、問題は、そのデータをどのように活用するかです。

 

M2Mでなにが変わる?

ある地域の全ての家庭のガスや、電気の消費量が、リアルタイムで分かれば、そのデータを直接受信したコンピューター内のプログラムによって、ガスや電気の利用量の総量や、最も消費される時間帯などがすぐに分かります。

当然、その会社の売上も秒単位で計算できます。

プロパンガスであれば、現在の容器に残っているガスの残量まですぐに分かります。

また、異常にガスを消費している家庭では、ガス漏れの可能性を疑う必要があります。

このような判断を、膨大な量のデータに基づいて、行うためには、中間に、人間が介在していてはとても間に合いません。

特に、人の命が関わっているような業務であれば、膨大なデータを黙々と処理することができるコンピューターなどの機器が、直接、各家庭に設置されている各種のセンサーからの報告を受け取る必要があります。

 

例えば、工場などのロボットが、これまでは単独で、作業の進行や、危険を判断していた機能を、全て、工場内のコンピューターに集中すればどうでしょうか?

各ロボットに搭載する機能を、指示に従って、実際の作業に対応するものだけに、限定することができます。そうなれば、低コストで、作業用のロボットを製造することが可能となります。

また、各ロボットの構造が、単純化できますのでそれだけ故障の可能性が下がります。

工場内に多数設置したセンサーから、リアルタイムで届く、膨大なデータを、直接コンピューターが収集して、すぐに解析を行い、その結果に従って直接各ロボットに対して、動作の指示を行うような形態が想定されます。

 

M2Mの未来

人間の感覚によって、判断することが必要な分野はまだまだ多数に上ります。

しかし、機械同士で、直接データやり取りを行う方が、明らかに正確で早い判断ができるような状況も、技術の進歩によって増加していくと思われます。

それでも、全ての判断を人間が行うことに固執しているとしたら、それは、魂が抜かれることを恐れて、写真に収まることを避けていた、昔話のような世界と言えます。

なぜなら、コンピューターなどで行う判断は、もともと生身の人間の行っていた判断を数値化したものに過ぎないからです。

 

しかし、その機械自体の設計の中に大きなトラブルを起こすような要因が、含まれている可能性は、常に考慮する必要があります。

機械とは言っても、所詮は、最初に人間が設計したものですから、人間と同じように必ず欠点が存在します。

その欠点を見つけて修復する仕事は、今のところ人間のみが対応できる分野として残っています。

将来的には、機械同士で、お互いの問題を修復することが一般的になるかも知れませんが、それでも、更に高い位置で人間の存在が必要であることには変わりません。