業務をスタートした「日本サイバー犯罪対策センター」とは?

「三本の矢」の故事を持ち出すまでもなく、同じ脅威に直面している複数の当事者が、一致団結して問題に対応することは大変意義のあることです。

当事者が単独で対応するには、どうしても限界があります。それぞれの持っている知識と、経験を合わせれば、相乗効果によって予想以上の結果を期待することが可能となります。

特に、相手が、国境に関係なく地球規模で暗躍しているような場合には、それぞれの立場を超えてタッグを組むことが求められます。

では、今回紹介する団体が対決する相手は、どのような被害を我々に与えるのでしょうか?

それは、目に見えなくても、非常に価値のあるデジタル情報の流出などの損害です。

そして、実際に対決する相手は、保存されている重要なデータを流出や破壊を目的とするサイバー犯罪で、これまでも甚大な被害を発生させてきた専門家たちです。

苦労して蓄積した専門的な知識を、世のため、人のために活かすことを拒否している大変手強い存在です。

 

日本サイバー犯罪対策センターとは?

2014年の11月に、業務を開始した非営利団体であり、英語訳の「Japan Cybercrime Control Center」から略称を「JC3」としています。

この数字の「3」を略称に入れている点に付いては理由があります。

この団体は、産業界、学術研究機関、及び法執行機関の三者が、それぞれの蓄積しているサイバー犯罪に対する経験と、知識を、全体として共有することをその目的としているからです。

これまでは、それぞれの業界毎に、サイバー空間に存在する各種の脅威に対応してきました。

 

しかし、単独で対応するよりは、三者がスクラムを組んで対応した方が、明らかに対応能力の向上が期待できます。

また、国内だけではなく海外の関係機関とも、情報の共有と協力関係を築く必要もあります。

地球規模で深刻化している現在の脅威に対応することができれば、今後の被害の発生を防いだりその影響を軽減したり、と言った効果が大いに期待できるところです。

協力関係にある国外の関係機関としては、米国の「NCFTA」などを挙げることができます。

NCFTAは、今回設立したJC3のお手本となった機関で、やはり複数の業界や、関係機関で構成されています。

 

日本サイバー犯罪対策センターの存在

実際の業務としては、サイバー犯罪に関する情報の収集と、分析、及び捜査機関などの職員に対するトレーニングなどです。

通信事業に関係した企業の参加によって、最新のセキュリティ対策に関する情報を共有することも可能となります。

例えば、実際にこの団体の正会員である「NEC(日本電気株式会社)」は、従来から、指紋認証などのセキュリティ対策関連の技術開発を進めてきた企業です。

更に、国際刑事警察機構(インターポール)と提携して、サイバー犯罪の調査と分析を行ってきました。

 

このような企業が参加することによって、この団体全体の対応能力が格段に向上することは言うまでもありません。

その他にも「セコム株式会社」や「トレンドマイクロ株式会社」などのように、セキュリティ対策を本業としている企業なども、メンバーの一員としてこの団体を構成しています。

このような、力強い支援によって、捜査権限を持っている警察もサイバー空間に存在する脅威の排除と、その背後に存在する犯罪者の追跡と特定を、これまで以上に進めることが可能となります。

脅威の分析はできても、捜査権を持たない企業であっても、この団体の一員となれば、サイバー空間を誰でも安心して利用できる世界へと進化させる手助けをすることができます。

 

日本サイバー犯罪対策センターによる抑止力

このように、日本においても、サイバー空間の健全化に向けて大きな一歩を踏み出すことができました。

今後も、この団体に参画する企業や、専門機関などが増えることによって対応能力が更に向上することが望まれます。

最終的には、全ての企業、機関、行政が、一致団結して、サイバー空間には犯罪的な行為の存在を一切認めない、と言うような強い姿勢をとることが必要です。

現在のように、基本的に、自由に行動できるサイバー空間であることは必要です。

しかし、何をやっても許されるような状況は、逆に、サイバー空間を一般的なユーザーから遠ざけてしまいます。

最低限のルールの遵守だけは、断固として、維持していくことが求められます。