データセンターの省電力化技術の現実は?

世界中に点在しているデータセンターや、サーバー室などの設備で、毎日消費している電力の量はとんでもない数字になりそうです。

現在のように、我々の行っている行動様式のほとんどをデジタル化してデータとして蓄積して、更にそれをネットワーク経由で、世界中に配信するような行為が、将来的には、地球全体で一般化することが予想されます。

そうなると、そのデータのやり取りを行う際の中継点やデータの保管場所として、これからも多数の拠点が必要となります。

 

これらの施設が、自らが消費している電力のことを、全く気にすることなく稼働していると、他の分野で行っている省電力化の推進も意味がなくなります。

すでに、このようなデータセンターなどで消費される電力に付いては、国際的な基準が存在しています。

それが、複数の通信機器メーカーや、アメリカの環境保護省などが採用している「PUE」と呼ばれている指標です。

これは、その施設全体の消費電力に占める、サーバーなどの、実際に通信に対応しているIT機器の消費電力の割合によって、省電力化の推進度を表した数値です。

このように、提供しているサービスの内容や、機器の性能だけではなく、いかに環境に優しい事業を行っているかも含めて企業を評価する傾向を「グリーンIT」とも表現するようです。

 

データセンターの省電力化技術とは?

その施設のPUEをできるだけ「1.0」に近づけることを目指して、各施設の管理者が行う対策の中心となる技術です。

この数値が、1.0に近くなれば、それだけ通信機器以外の空調や、電源装置などの付属装置による電源の消費が少ない、省電力化が進んでいる施設と言えます。

実際の通信以外の部分で消費する電力を、何とかして削減することが、このような技術を導入する目的です。

 

一例としては、代表的な通信機器であるサーバーの発熱を抑えることによって、その施設全体の温度の上昇を防ぐ手法があります。

一般的なサーバーには、内部の熱を放出するために放熱用のファンが内蔵されています。

しかし、内部の熱を排出することによって、室内の温度が上昇すれば、結局は、空調に必要な電力の増加を招いてしまいます。

そこで、サーバー内に、空気よりも、効率的に熱を排出できる特性を持つ冷却液を循環させる方法が、考案されました。

 

データセンターの省電力化技術はまだあります。

更に、室内の熱を外に排出するために、これまでは空調機器によっていたところを、外気を導入することによって、省電力で室内の温度を管理する方法も採用しています。

更に、通信機器自体の消費電力を削減する方法も開発されました。

例えば、ユーザーのアクセス数に応じて、全ての通信機器を稼働する必要がない状況であれば、不要となっている通信機器の電源を自動的に落とすような手法です。

一般家庭に例えると、これまでは、深夜になって家族が全員寝ている時間帯でも、すべての家電電化製品の電源が入っている状態を、一年間を通して継続していたことになります。

 

また、停電時に備えて、非常用の電源となる蓄電池に充電する必要から、電源に付いては、交流から直流への変換を複数回行っていました。

この作業による電力損失を防ぐために、全ての電源システムを直流に一本化しました。同時に、複数の電源ユニットを、現状で必要とする電力に合わせて、独立して稼働できるような仕組みも実現しました。

これまでは、常に、必要以上の電力を供給して、全ての通信機器を、フル回転していましたので、この部分でもかなりの省電力が期待できます。

このような複数の省電力技術を導入して、PUEの数値を「1.11」にまで抑えることに成功したデータセンターも日本国内には存在します。

 

データセンターの省電力化技術は永遠のテーマ?

このような省電力化の必要性は、特に、東北大震災後の電力不足を背景として、近年、特に高くなってきたようです。

通信機器を製造しているメーカーにとっては、その機器の能力と同じ程度に、いかに省電力化を進めているのかも評価の対象となります。

消費電力の少ないことを、その製品のセールスポイントとして、積極的に利用することが通常です。

サーバーを運用している企業にとっても、節約できた電力に相当する電気代は、そのまま利益として残ります。

それを利用料金に還元することできれば、競争力のアップにもなりますし、企業としてのイメージを向上させることにも繋がります。