携帯電話の販売奨励金とは?

競争の激しい世界ほど、他の分野では想像もできないような手法で、ライバルに勝つことを考える必要があります。

普通に考えると、あるサービスを長期間利用している人が、一番に優遇を受けても良さそうなものです。

しかし、提供されているサービスの特徴を理解して、そのメリットを最大限に受けることができる時期を正確に見極めることによって、最も利益を受けることができる世界も存在しています。

身近なところでは、携帯電話のサービスを選択する際に、各通信キャリアが提供しているキャンペーンなどが該当します。

では、実際にはどのような契約内容でサービスを提供しているのでしょうか?

 

携帯電話の販売奨励金とは?

新規で獲得したユーザーが、一定の期間、その契約を継続することを条件として、そのサービスを提供している通信キャリアから販売代理店に対して、報奨金や奨励金を支払う仕組みです。

更に、通常では、契約後、一定期間内の通話料金に付いても、その一定の割合に応じた額が販売代理店の収入となります。

販売代理店では、このような将来の収入を見越して、携帯電話本体を実質的には無料か、または格安の価格で提供することが可能となります。

また、通話料金に付いても、一定期間内は、基本料金を割り引いて、通話サービスを提供しているのが通常です。

そのため、販売代理店では、一定の期間内に解約をする場合には、違約金を請求する内容の契約を結ぶことが一般的に行われています。

 

ユーザーにとっては、契約を継続することで、高額な携帯電話本体を対価を支払うことなく手にすることができる仕組みであり、新規に携帯電話を契約する人が大量に増えた要因となりました。

同時に、いくつかの問題を発生する元凶とも言われています。

ユーザー側からすると、一定期間が終了したタイミングで、他の通信会社へ乗り換えることによって、新規顧客として優遇を受けることが可能となります。

同じ通信会社であっても、別の電話番号で新規の顧客として契約すれば、結局は、新規顧客として優遇を受けることができます。

 

携帯電話の販売奨励金の問題点

携帯電話の通信サービスを提供している通信キャリアは、販売代理店に支払っている報奨金などの出費を回収するために、契約後、一定の優遇期間が終了した後は毎月の利用料金などを一定以上の金額に維持する必要があります。

結局として、長期間契約している人が支払っている通話料金の割引を行うどころか、新規の顧客を獲得するキャンペーンなどに必要となる報奨金などの資金を、長期間利用している優良顧客の通話料金から支出していることになります。

 

そのため、違約金を支払う必要がなくなる一定期間を経過すると、すぐに別の通信キャリアへ乗り換えるか、新たに同じ通信キャリアにおいて、新規の契約をする方が多くの割引を受けることができます。

他の国では、このような新規契約時の割引などを行う代わりに、長期間同じ通信キャリアを利用している人の基本使用料や、通話料を安くして利益を還元する傾向が強いようです。

そのため、通信のコストに関しては、日本が他の国よりも割高であると評価されているのが現状です。

 

携帯電話の販売奨励金規制のこれから

総務省としては、現在のように、新規に携帯電話の回線を契約した人が、そのサービスを提供している通信キャリアから、携帯電話の端末を格安で提供されている現状を変えることを目指しています。

通信回線の契約と、端末の購入を、基本的に分離する形へ変えることを目標としています。

その前提として、一度購入した携帯電話の端末を他の通信キャリアでも利用できるようにする必要があります。

このため、他の通信会社のSIMカードであっても、現在所有している端末へ挿入することによって、問題なく通信サービスを利用することができる「SIMロック解除」を、各キャリアに義務付けることが正式に決定されました。

 

また、日本の各通信キャリアにおいても、将来的には、新規顧客よりも、長期間利用している顧客を優遇するような内容の料金体系を主流とする方向へ変更するようです。

例えば、SoftBankの「新スーパーボーナス」プランです。新規でも、機種変更でも、新スーパーボーナスを利用して、端末の代金を、最初に一括して支払うか分割して支払うことで、毎月の料金の割引を一定期間受けることが可能です。

従来のように、端末価格の割引を行うのではなく、毎月の料金を割り引きます。

途中で解約すれば、料金の割引を受けることができなくなる上に、残った端末の代金があればそれを支払う必要があります。

 

この方法であれば、他の契約者の支払う料金を端末の割引にあてる必要がありません。

auでは、端末の購入費用、または毎月の基本料金のどちらかを低く抑えることができる「シンプルコース」を選択できるようなプランを提供しています。

ドコモでは、端末の値引きを行わない代わりに、毎月の料金を低く抑える「バリューコース」が類似のプランとして、提供されています。

どちらにしても、すぐに解約したユーザーは、端末の代金を全額負担した上に、通話料金の割引も、受けることができません。

後は、解約が割に合わないと感じるような、長期契約者に対する思い切った内容の割引サービスが求められるところです。