QoS(Quality of Service)は通信の優先順位を決定

何事にも、優先順位と言うものがあります。

本来は、その仕事を受け取った順番に従って1つずつ終わらすことが、正しい対応かもしれません。

しかし、それぞれの仕事毎に重要度が異なる場合などは、予め決めてある優先順位に従って、もっとも重要な仕事から処理を始める方が結局は良い結果を生むことが多いのではないでしょうか?

このような理屈は、ネットワークの世界でも採用されているようです。

 

 

例えば、同じネットワーク上を、いくつかの種類のデータが流れているとします。

テレビ電話や、IP電話などの音声通話や、動画のリアルタイム再生に必要なデータ、及び電子メールの送受信や、文字と、写真で構成されている、Webサイトを表示するためのデータが、1つの通信回線を同時に利用する可能性は非常に高いと思われます。

 

この中では、音声通話や動画再生のデータはその流れが止まると、最悪の場合は通話や動画が途切れたり音声に雑音が混ざったりします。

それが、重要な内容の会話であれば、大きなトラブルを招いてしまう可能性があります。

このような場合に、どのようなデータを優先して伝送するかを決定する技術が「QoS(Quality of Service)」と呼ばれているものです。

 

QoSとは?

ネットワークを流れているデータの伝送を、そのデータの優先順位に従って制御する仕組みです。

特に、回線が混雑している状態では、音声通話のようにデータの受信が止まってしまうと、その本来の利用目的を達成することができないプログラムのデータを、優先することによってネットワークを利用して提供している各種のサービス間の調整を行います。

 

上記の場合では、常にデータを受信しなくても、他のサービスのようにその利用目的を達成することができる、Webサイトの表示データや電子メールの送受信データが遅れて伝送されます。

同様に、単にファイルをダウンロードして、保存する場合も一般的に優先順位は低くなります。

一時的にダウンロードが遅延しても、最終的にはその目的を達成することができるからです。

 

このような設定は、少なくとも自宅や会社などのネットワーク内においては、QoSに対応した通信機器の設定を変更することによって、細かく優先順位を変更することが可能です。

そのような通信機器では、伝送されるデータを小分けにしたパケット毎に、一定の基準に従って優先順位を判断しています。

 

QoSの仕組み

通信端末のプログラムからネットワークへ伝送されるデータは、一定の容量毎に小分けにされて「パケット」になります。

このパケットには、データの伝送先の情報などが記載されたヘッド情報が含まれています。

 

まずは、このパケットを調べてそれがどのようなプログラムにおいて、どのような目的で作成されたものであるかをQoSに対応した通信機器が判断します。

次に、予め設定されている優先順位などのポリシー(基準)に従って不要と判断したパケットを廃棄します。

また、すでにデータ伝送が混雑している場合などは、優先度の低いパケットを廃棄します。

 

破棄されたパケットは、再度同じプログラムによって再製され、通信状況が混雑していなければ遅れて伝送されます。

この段階で、生き残ったパケットには、ヘッダ情報の中にそのパケットの優先順位を書き込みます。

以後は、この優先順位に従って、パケットの処理を行う順番を決めることになります。

 

この書き込まれた優先順位は、このパケットが送信されて、相手の端末に到着するまでの経路に、パケット処理のために設置されている通信機器に対しても有効です。

最後に、パケットがネットワーク経由で伝送される際に、通信速度と密接な関係にある「帯域幅」の広さも、パケットの優先順位によって差がつけられます。

 

QoSの対応は公平?

このような細かい対応によって、途切れの少ないサービスをリアルタイムで提供することが初めて可能となります。

すべてのサービスを平等に扱わないことによって、結果としてそれぞれのサービスの利用方法に適した環境を提供することができます。

皮肉な話かも知れませんが、そのサービス毎に満足できると思われる通信環境が、全く異なることからこのような対応が可能となります。