日本でも実現するか?LinkNYC(リンク・エヌ・ワイ・シー)

それまでは、過去の遺物であるとの評価を受けていたものが、非常に新しいものへと生まれ変わることが稀に起こります。

長年利用されているものには、通常、長く使われてきただけの理由があります。その長所を活用することによって、近い将来には無くなると思われていた存在が、急に注目されることもあるようです。

最近は、携帯電話の利用者の急増によって、利用する機会が激減している設備が公衆電話ボックスです。

その中に備えてある電話帳を見ながら、携帯電話で電話をかけるくらいしか、利用する機会がない人が、大多数ではないでしょうか?

 

しかし、アメリカのニューヨーク市では、発想を大転換して、この公衆電話のサービスを進化させることに成功したようです。

それが、近々スタートする予定の「LinkNYC(リンク・エヌ・ワイ・シー)」と呼ばれている、市営の高速Wi-Fiネットワークを提供する新サービスです。

できれば、日本でも、実現して欲しいサービスとなります。

 

LinkNYCとは?

これまでの古い電話ボックスよりも少ない設置面積を利用して、新しく設置されるこの機器には、24時間無料で利用できるWi-Fi環境が用意されています。

最大で1Gbpsと言う超高速の通信速度を、目標にしているそうです。また、米国内限定の無料通話と、備え付けのAndroid OSを使用したタブレット端末を利用して、公共サービスへのアクセスが可能です。

 

更に、無料で携帯電話などを充電することができます。

このようなサービスに必要な費用は、この機器の側面に表示する各種の広告によって賄うことになります。

来年、2015年から本格的に設置が開始されます。計画では、ニューヨーク市内に、合計1万台を設置する予定です。

 

この機器のデザインは、日本人のデザイナーが共同で設立したデザイン事務所が、担当しているとのことです。

デザイン的にも、現在の一般的な公衆電話ボックスとは異なり、スリムで、歩行者の邪魔にならないようなタイプのものが、採用されています。

実際に、このLinkNYCを開発したのは、複数の企業で構成されている「CityBridge」と言う団体です。

構成しているメンバーとしては、大手のメディア企業である「タイタン」や、ワイヤレス技術の分野では有名な「クワンコム」などの技術系のメーカーなどが参加しています。

 

LinkNYCによる発想の転換

このような新しい発想によって、将来的には昔話の中に登場することが、ほぼ確定していた公衆電話ボックスが、逆に、これからのデジタル化した生活にとって必要不可な存在になりそうです。

その運営に、全く税金を投入しないで、広告収入によるところなどは、今後の公衆サービスの方向性として、日本でも、参考にして欲しいところです。

無料でも、このような高速のWi-Fi環境を提供することができる手法は、価値のあるものには、高いお金を払うのが当然と考えられてきた、これまでの通信サービスの常識を覆す効果もあります。

 

ニューヨーク市長によると、全ての市民と、訪問者に対して、無料で、世界でも最速のWi-Fi環境を提供することが、ニューヨー市を「公平、公正都市」にするために、必要不可欠であると語っています。

確かに、インターネットへのアクセスを容易にすることによって、ニューヨーク市全体の評価を高める政策であることは間違いないようです。

最低限度の接続速度で、Wi-Fi環境を提供するのではなく、いきなり最高速の通信速度を実現するところが、その意気込みを表しているようです。

 

ビジネスのために、ニューヨーク市に滞在している人などは、すぐに、その恩恵を受けることができます。

外出先でも、頻繁にインターネット経由でシステム画面を更新するためには、このような無料で、高速なWi-Fi環境は、大変有り難い存在です。

 

LinkNYC的な発想

さて、これまでの情報は、日本国外の話でした。それでは、日本でも、このような公衆サービスが実現する可能性はあるのでしょうか?

日本の場合、国などの対応によって、このようなサービスがスタートすることはほとんど期待できません。

もしかしたら、民間企業が、広告収入による利益のために、狭い地域で同様のサービスを開始する可能性の方が高いのかも知れません。

特に、すでに公衆電話ボックスを多数設置しているNTTなどが、十分な利益を見込めるサービスとして、将来提供することを期待したいところです。