RAID(レイド)とは?

「大事なデータほど無くしやすい」と言うような法則は、おそらく存在しないと思います。

しかし、実際に、重要な情報を、パソコンなどの端末から消失したことがある人は、どうして、大事なものに限って無くしてしまうのかと、不思議に思うのではないでしょうか?

特に、パソコンへ接続してある外付けのハードディスクが故障したような場合には、その思いが強くなるのではないでしょうか?

 

このような場合に、もしも、データをバックアップしていれば、すぐにそれを使って、なくしたデータを簡単に復元することが可能となります。

データをバックアップする手段のうち、ハードディスクのような外部記憶装置を、複数台組み合わせる手法である「RAID(レイド)」を知っていますか?

複数の記憶装置を組み合わせるためには、専用の機器を用意する方法と、パソコンの中に入っているOSなどで、その機器に接続された複数の記憶装置を制御する方法があります。

 

それでは、実際には、どのような方法で、大事な情報を守ることできるのでしょうか?

そして、実際に、記憶装置に問題が発生した時は、どのように対応すれば、良いのでしょうか?

 

RAIDとは?

1988年に、アメリカにおいて、初めて提唱されたRAIDの理論です。

その理論を提唱した論文の題名「A Case for Redundant Arrays of Inexpensive Disks」の頭文字をとって命名されたようです。

日本語で表現すると「安価な記憶装置を組み合わせることによって、信頼性、および安全性を確保する仕組み」となります。

 

当時は、大容量のハードディスクが、非常に高価でした。そこで、安価で容量の少ないハードディスクを、複数利用する仕組みであることから「Inexpensiv(安価な)」と言う単語が、使用されています。

しかし、現在では、大容量のものが、安価で販売されていますので、この部分を「Independent(独立した・個別の)」として、RAIDを説明することもあるようです。

どのような方法でRAIDを組むかによって、「RAIDレベル」が異なります。

 

RAIDレベルとは、実際に利用されるRAIDの方式に固有の番号です。よく利用されているRAIDレベルから紹介すると「RAID 1」は、2台以上の外部記憶装置(以降は、HDD)を使用して、それぞれのHDDの中に、全く同じ内容のデータを、記憶する方法です。

そのため、例えば、2台のHDDを使用しても、記憶できる容量は、HDD1台分となります。

当然ですが、最低でも1台のHDDが正常であれば、他のHDDが故障しても、データは、全て守られます。

 

次に「RAID 5」は、すくなくとも、3台以上のHDDが必要となる方式です。

各HDDに「誤り訂正符号データ」を含めて、保存データとして記憶します。

この誤り訂正符号データとは、もしも1台のHDDが故障した場合でも、残りのHDDの中に保存されている、このデータに基いて、故障したHDDの中に保存されていたデータを、復元することができる情報です。

 

このRAID5を選択すると、3台のHDDを使用して、HDD2台分のデータを保存することが可能です。

2台以上のHDDが故障すると、データの復旧はできなくなります。

最後に「RAID 0」ですが、これは上記に記載したRAIDとは、全く異なる特性を持っています。

 

それは、構成する全てのHDDの容量を合計した量のデータを保存できる点です。

ところが、構成しているHDDのうち、1台でも故障すると、全てのデータを失ってしまいます。

その代わりに、各HDDへ分散してデータを書き込むことによって、高速でデータの読み書きを行うことが可能となっています。

このRAID 0は、すでに記載した「RAID理論」では、定義されていないRAIDレベルです。

 

RAIDの方式はまだあります。

この他にも「RAID 2」や「RAID 3」も、RAIDの方式としては、存在していますが、実際にはあまり利用されていないようです。

また、上記に記載したRAIDの手法を、複数組み合わせて、利用する方法もあります。

 

例えば「RAID 01」と「RAID 10」は、RAID 0と、RAID 1のそれぞれの長所短所を組み合わせています。

最低でも、4台のHDDが必要ですが、高速で書き込むことができる上に、故障したHDDにもよりますが、最大で2台のHDDが故障しても、データを復元できます。

保存できるデータ容量は、4台のHDDで構成すれば、HDD2台分となります。

HDD2台を1台のHDDとして扱いますので、4台のHDDを利用する場合には、片方のペアのHDDが2台とも故障しても、データはもう片方のペアが完全な形で保存しています。

 

その他には「RAID 6」という方式もあります。

この方式では、最低4台のHDDを使用しますが、最大で2台のHDDが故障しても常にデータを復元することが可能です。

 

しかし、2種類の誤り訂正符号データを作成して、各HDDに書き込むため全体としての書き込み速度は遅くなります。

また、保存できるデータ容量は、4台のHDDで構成すれば、HDD2台分となり、「RAID 01」や「RAID 10」と同じです。

しかし、構成するHDDのどれが故障しても、故障したHDDが、合計2台までならデータを失うことがありません。

 

実際に、「RAID 0」以外の方式で利用されているRAIDを構成している一部のHDDが、実際に故障した場合、すぐに問題のないHDDに交換するだけで、通常は自動的にデータが復元されます。

完全に復元するまでの間は、RAID全体の動作が重くなりますが、すべてのデータが復元されるとそのような問題も解消します。

 

RAIDはデータの守護者

以上のように、データの重要性や、容量によって、利用できるRAIDの種類をいくつか選択することが可能です。

最近では、大容量のHDDの価格が極端に安くなりました。

そのため、記録できるデータの容量よりも、万が一の場合に、データを復元できる可能性を考慮して「RAID 6」で、データ管理を行う傾向にあるようです。

例えば、現在使用している外部記憶装置の中で、RAID 6以外の手法で、RAIDを構成しているHDDを、全て大容量のものに換える方法があります。

それで、RAID 6を選択して、RAIDを組んだとしても大容量のHDDへ交換したことによって、結局は、同じ容量のデータを今よりも安全な方法で保存することができます。