ワイヤレス接続の周波数帯域と伝送速度の関係

Wi-Fiなどのワイヤレス(無線)環境での通信速度の話をする際に、必ず話題になるのが「周波数帯域」と「伝送速度」の関係です。

一般的には、周波数帯域の幅が広くなると、最も大事な数値であるデータの伝送速度はそれに比例して早くなる、と言う説明がされます。

そのような結論に至る理由を考えるには、まず周波数帯域と伝送速度のそれぞれの意味を知る必要がありそうです。

 

現在のインターネット上で提供されているサービスは、年々その内容がグレードアップしています。

通信速度の面では、少しでも通信速度を上げることによって、提供されているサービスの利用に支障がないような環境を実現する必要があります。

そのためには、現在利用しているWi-Fi用の通信機器の性能を、理解することが求められます。今回解説している、この2つの基本的な用語の意味するところは、ぜひ理解したいところです。

 

周波数帯域と伝送速度はどんな意味?

まずは「周波数帯域」ですが、その前に「周波数」とは、一体何を意味しているのでしょうか?

これは、その信号が1秒間に何回くらい振動しているか、を表している数値です。

例えば、1秒間に10回振動していれば、その信号の周波数は「10Hz(ヘルツ)」であると表現します。

更に、この周波数が、1秒間に最大で12回、最小で8回、と言うような幅で、振動の回数が変動している場合(=揺れている場合)は、4Hzの「周波数帯域」の幅を持っている信号である、と表現します。

常に、毎秒当たり10回振動している信号の周波数帯域の幅は、「0」となります。

要は、不規則な間隔で振動している信号を利用して、データを伝送する、と言うことです。

 

次に「伝送速度」とは、一定の時間内に移動することができるデータの量を言います。

通常は、1秒間に送ることができるデータ量で表します。

例えば、1秒間に、1ビット(bit)のデータを送信できるときは「1bps(ビット/秒)」の伝送速度であると表現します。

最近では、1秒当たり、100M(メガ、bpsの10の6乗倍)bitのデータを送信できるようなWi-Fi通信の規格も存在しています。

その場合は「100Mbps」と表示します。実際の伝送速度は、その信号が発信されている場所から、受信する場所までの距離や障害物の有無、そして周波数帯域の幅などの多数の条件によって数値が異なります。

 

周波数帯域と伝送速度の関係はどんな関係?

データの伝送は、全く周波数帯域のない信号(完璧な正弦波)を基準として、その信号と、実際に送信されてきた信号との間に周波数帯域の差が存在することによって初めて可能となります。

この場合、正弦波で表すことができる周波数帯域が「0」の状態と、伝送データの情報を復元するために、一定のルールに従って変動している伝送波との差が、大きく開けば(=周波数帯域の幅が広い)、それだけ大量のデータを伝送することが可能となります。

極端に、大きく変化している信号の方が沢山のデータを復元できるため高速通信を行うことができる、と言う理屈になります。

 

実際には、無制限に周波数帯域の幅を、広げることができるはずもありません。

それぞれの通信プロトコルによって、最初から利用できる周波数帯域は決まっています。

そのため、与えられた周波数帯域を、最大限に利用しながらその範囲内で更に通信速度をアップする新技術を、開発する必要があります。

 

現在では、複数の周波数帯域を、同時に利用するような手法によって、これまでの技術では、絶対に実現できないような高速データ通信を可能とする技術が、開発されてきました。

これからも、これまで利用されてこなかった周波数帯域を利用した新規格や、更なるスピード・アップを実現できる新技術の登場が期待されます。

 

周波数帯域と伝送速度の関係は今後も気になる関係

すでに、利用できる周波数帯域の大部分が、いずれかの通信プロトコルに割り当てられている現状では、現在の周波数帯域を、更に増やす方法によって、伝送速度をアップすることは困難な状態です。

そのため、今後の流れとしては、これまでは、その特性から、あまり利用されてこなかった周波数帯を使用するWi-Fiの新規格が、登場することが予想されます。

実際に、同じ部屋内の端から端程度の距離でしか、利用できない代わりに、非常に幅の広い周波数帯域を使うことによって、大容量の高速データ通信を可能とする新規格が実用化されようとしています。

制限があることによって、更なる進歩が必要になる通信の世界ですが、まだまだ、色々な引き出しがありそうです。