電子掲示板(BBS)による新しいコミュニティの誕生

マンションの入り口付近に設置されている掲示板には、その建物の住人が構成する共同体(コミュニティ)にとって重要な内容の情報が貼り出されます。

このような掲示板によって、一度も顔を合わせたこともない住民同士がコミュニケーションを維持することが可能となります。

これが、同じ趣味や主張を持っている同好の士の間であっても同様です。

 

問題は、離れた場所に住んでいない人が、どうやって掲示板を見て、コミュニティを作り上げるのかというところです。

以前から存在する方法としては、コミュニティを構成する人からの手紙に基づいて同人誌などを発行する手があります。

遠隔地に住んでいる人でも、その同人誌の中で、コミュニケーションを取ることができます。

 

しかし、インターネットの時代になると、そのような手間をかける必要がありません。

電子掲示板を立ち上げれば、世界中のどこからでも一瞬にして新しい文章を書き込むことが可能です。

この便利な仕組みは、どのような影響を、我々の生活に与えることになるのでしょうか?

 

電子掲示板(BBS)とは?

管理者の決めた一定のルールに従った内容の文章を、掲示板に訪問した人が次々に投稿することで成立するインターネット上のサービスです。

「BBS(Bulletin Board Systemの略語)」とも、呼ばれています。

 

このサービスでは、一つの掲示板毎に、投稿した順番などを基準として書き込まれた情報が一覧表示されます。

テーマ毎に、独立した掲示板を、複数用意している場合もあります。

このサービスを提供するには、本来であればサーバ用のアプリケーションを、自分のコンピューターへインストールする必要があります。

 

しかし、実際には、そのようなことをしなくても、Webサイトから申しこめば、無料で掲示板のサービスをレンタルできるサービスが多数の業者から提供されています。

そのようなサービスを提供している業者にとっては、掲示板に表示されている各種の広告によって、収入を得ることができるため、掲示板を無料で提供するメリットがあります。

現在では、その内容によって分類されている数百以上の掲示板を、1つのWebサイトへ集合した大規模なものが存在しています。

 

もともと、インターネットが登場する前、パソコン通信の世界ではすでに主要なサービスの一つでした。

現在利用されているインターネット上のサービスでは、最古参のサービスの1つと言えます。

 

電子掲示板(BBS)は何をつくるの?

単なる趣味に関する情報のやり取りから、社会情勢に関する意見の表明や、それまで発覚していない犯罪行為に関する情報まで、ありとあらゆる情報が投稿されているのが、巨大な存在となった、現在の電子掲示板の姿です。

特定の掲示板が、大手の新聞各社のニュース源となることも、現在では珍しいことではありません。

参加する人の数が増えることによって、一般的なマスコミの取材能力を、遥かに上回るような情報伝達手段となったようです。

もちろん、その投稿する新情報の内容を、完全にはチェックせずに投稿している可能性もあります。

全てを真に受けるようでは、このようなサービスの本質を理解していないことになります。

 

しかし、中には貴重な情報が、その業界関係者からリークされたことも過去にはありました。

このようなサービスのほとんどが、本人確認をすることなく、投稿できるため、有名、無名を問わず、他人の名前を無断で拝借して、いかにもありそうな事実を投稿する人も存在します。

それによって、名前を使われた本人に、大迷惑をかけてしまうような事件もたびたび発生しています。

正に、玉石混交しているところが、インターネット特有のサービスらしいところです。

 

企業によっては、閲覧できる範囲を限定して、その企業に勤務している人が、業務に関する話題や、周知事項を、実名で投稿するような方法で利用している場合もあります。

どちらかと言うと、最初に話題にした、マンションの入り口に設置してある、掲示板に近い利用方法と言えます。

 

電子掲示板(BBS)の今後

これからも、多種多様な分野の情報が投稿されることになる電子掲示板の世界です。

問題は、投稿される情報の正確性と、誰にも損害を与える可能性がないことを、どうやって担保するのかと言うところです。

一部のSNSサービスのように、実名での投稿と、本人確認を徹底することによって、ある程度の効果はあると思います。

 

しかし、自由な発想で、多少、先走った部分があるような投稿を、完全に排除したのでは、インターネットの可能性を消してしまいます。

やはり、サービスを利用する人の「ネット人」としての成長が、必要不可欠ではないでしょうか?

それでも、問題のある内容を含んでいる投稿を、瞬時に発見して、場合によっては当局へ通報するような仕組みは必要と思われます。