GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)とは?

一昔前の映画や、ドラマでは、人間とコンピューターとのやり取りは、情報処理の結果が印字されたパンチカードを利用していました。

その解読方法を知っていると見られる技術者が、フムフムとつぶやきながら、自分だけの世界に入っていく様子が、よく描写されていました。

 

しかし、現在のコンピューターの世界では、そのような特殊な能力は不要です。

なぜなら、誰でも理解できるような方法で、情報処理を命令する事ができるからです。

コンピューターへ何らかの作業を命令する時は、画面上のボタンを数回押すだけで済みます。

 

このように、すべての作業の指示が、簡単な図形や、画像を利用して、モニターの画面上の位置を指示するだけで、簡単に行う事ができる環境を、GUI(グーイ、ジーユーアイ)環境と呼んでいます。

画面上のボタンなどを操作するだけで、作業が始まり、全ての作業が終わるとその結果がすぐに表示されます。

特に、特殊な知識がなくても、コンピューターを操作する事が可能です。

 

GUIとは?

GUIは「グラフィカル・ユーザー・インターフェース」の略称です。

それまでは、専門的な知識がないと、コンピューターへ情報処理を命令することができなかった状況から、簡単な操作で、全く同じ内容の作業をコンピューターへ命令する事が、できるようになりました。

 

現在のように、あらゆる場所で、パソコンが利用できるようになった原動力の一つとも言えます。

もちろん、パソコンを含めた、コンピューターを搭載している全ての製品の価格が、安くなった事も影響しています。

しかし、どんなに低価格になっても、パンチカードを利用するようなタイプのコンピューターでは困ります。

 

簡易な操作方法になったおかげで、パソコンの操作を勉強する時間が短時間で済みますので、趣味でも、仕事でも、すぐにコンピューターを活用する事ができます。

すると、アイディアの豊富な人は、コンピューターを利用した新しいタイプのビジネスや、芸術や、趣味などを、簡単に形にする事が可能となります。

また、そのアイディアに基づいて、更にコンピューター用の新しいアプリケーションが開発される可能性もあります。

このような連鎖によって、現在のように、コンピューターが、あらゆる分野で活躍するような世界が実現しました。

 

GUIが実現したもの

コンピューターの画面から、コンピューターへ何らかの作業を命令するには、プログラム言語の入力を行う必要がありました。

それが、GUI環境になると、画面の中にあるメニューを選択するだけで、全ての作業をすぐに始める事ができます。

コンピューターの歴史にとって、この進歩は、「猿が一晩のうちに人間に進化したくらいの驚きを感じる出来事」と言えます。

この技術的な変革は、ほんの一部の人が独占していたデジタルの世界が、全ての人に開放された、記念すべき事件です。

 

このGUI環境は、すでに1976年頃には、アメリカのXerox(ゼロックス)社の研究所で開発された試作機で実現していました。

ところが、一般家庭で利用するような安価なコンピューターを販売する事など、考えもしていなかったXeroxでは製品化する事はありませんでした。

しかし、このシステムの存在を知った他社から、GUI環境を実現した一般家庭向けの製品が、販売される事によって、現在のように、誰でも気軽にコンピューターを利用するような状況が、生まれました。

 

一般的に、GUI環境のコンピューターの価値が認識されるようになるのは、1984年に製品化されたApple社のパソコンのシリーズである「Macintosh(マッキントッシュ)」以降になります。

それまでも、業務用の分野では、GUI環境を実現した、高価なコンピューターが製品化されていました。

 

GUIがなければ

もしも、GUIが存在していなければ、そもそも、この記事は存在していないでしょう。

なぜなら、プログラミングを勉強して、このような文章を書く事が出来るようになる前に、生物としての寿命が来てしまうからです。

しかし、このような素晴らしい技術も、すぐには評価される事がなく、倉庫の片隅でホコリをかぶっていたと言う事実があります。

 

本当に素晴らしいモノは、すぐには正当評価されない運命である、と言う事実は、これまでの歴史で何度も証明されている事です。

もしも、Xerox社が、安価なコンピューター製品を販売していたら、現在大活躍しているIT関連の大企業は、存在していないか、存在していても、全く異なる分野で活動していたいかもしれません。