WiGig (Wireless Gigabit)に注目!

通常、無線LANやWi-Fi(ワイファイ)の話をする際には、それがどこまで届いて、しかもどれくらいの通信速度が実現できるかを問題とします。

しかし、もともと長距離でデータ通信を行う必要がない状況もありえます。

 

短距離でも構わないので、とにかく大量のデータを送信することを希望する場合には、それに対応した新しい通信規格が必要となります。

この記事で紹介するWiGig(ワイギグ)という高速でデータ通信を行う事が出来る通信規格は、正にこのような要求に答える事ができるものです。

 

これは、近距離で、高速のデータ通信ができる無線通信規格です。

このような無線規格が活躍するエリアは、一体どのようなところなのでしょうか。

もしかしたら、将来的には家庭の中でも大活躍するかもしれないWiGigはどのような性質を持っているのでしょうか。

 

WiGigとは?

「WiGig」は、Wireless Gigabitを短縮した名称です。業界団体である「Wireless Gigabit Alliance(ワイヤレス・ギガビット・アライアンス)」が、2009年12月10日に正式規格の確定を発表した通信規格です。

この団体は、その後、無線LAN機器の規格などを管理している「Wi-Fi Alliance(ワイファイ・アライアンス)」に吸収されました。

WiGigは、使用する周波数を60GHz帯としたうえで、1チャンネル当たり2.16GHzという非常に広い周波数帯域を使って、最大で7Gbpsという高速でデータ通信を行う事ができる短距離高速通信を実現した規格です。

 

この周波数帯の広さは、通常のWi-Fi規格の10倍以上の広さとなります。

この点は、60GHz帯を使用するには、特に免許などが不要である点を、上手に規格に反映しています。

 

従来の無線通信規格との一番の違いは、通信可能な距離が約10メートルと短くなる点です。

しかし、高画質の動画などの伝送には適した高速通信が可能です。

伝送に使用する周波数が通常の無線LANなどに比べると非常に高いため、距離に応じた減衰が大きく、しかも障害物には弱い、という面を持っています。

 

しかし、それを補うために、通信相手の存在する場所に向けて、他よりも強い電波信号を出力することが可能となる「ビームフォーミング」という技術を利用することができます。

同じ部屋の中で、特に障害となる物が存在しない環境では、とてつもない速度の通信速度を実現することが可能となります。

TVと、録画機器、またはパソコン本体とディスプレイの位置関係のように、本来すぐ近くに置いて利用することが通常である機器の接続であれば、長距離まで電波信号を届ける必要がありません。

 

WiGigはどんな場面で活躍するの?

将来的には、スマートフォンや、タブレットや、パソコンなどの通信端末と、それを接続する相手となるTVや、ディスプレイなどで、この規格に対応した製品が販売されることが予想されています。

また、一般的なWi-Fi規格の管理を行っているWi-Fi Allianceの今後の対応によって、将来的には、Wi-Fiに関係する通信機器が、これまでの「IEEE802.11ac」のような通信規格と同時に、WiGig規格にも対応することも予想されています。

 

もしも、無線親機が複数の無線LANの規格に対応すると、無線親機の近くでは、超高速なデータ通信を可能とするWiGig規格で通信を行い、離れた場所では、従来のWi-Fi規格で通信を行うような組み合わせが可能となります。

当然、パソコンなどの通信端末の側でも、これまでのWi-Fi規格と、WiGig規格の両方に対応する事が出来る無線LAN子機が販売されることになると思われます。

 

WiGigの将来

将来的には、現在、TVとブルーレイレコーダーを接続するために利用されているHDMIケーブルや、パソコンと周辺機器との接続に利用されている各種のケーブルに代わって利用されることが予想される新規格です。

WiGigは、短距離でも構わないので、とにかく高速でデータを送信できればそれで良い、という発想の転換が生んだ技術と言えます。

CPU製造大手の米Intel社では、来年2015年の半ばには、WiGigに対応した製品の提供を開始するとのことです。

今後の製品の提供開始が楽しみな新規格です。