FONが作り出すWi-Fiの新時代

世界中のどこに行っても、すぐにWi-Fi環境を利用することができるような状況は、現在のところは夢の世界の話です。

しかし、お互いの利用しているWi-Fi環境を無料で解放することができれば、少なくともWi-Fiの信号が届く範囲であれば夢ではありません。

しかし、それには相互の利用を保証する仕組みが必要になります。

 

自分のWi-Fi環境を無料で提供する代わりに、相手の提供するWi-Fi環境を無料で利用することができる、という事を保証することが、簡単にできるとは思えません。

やはり、夢物語なのでしょうか?しかし、それを実現する方法はすでに、2005年11月にスペインで設立されたFON社が提供しています。

 

FONとは?

「FON(フォン)」とは、会員相互の間で、それぞれが提供しているWi-Fi環境を共有する仕組みを提供している企業の名称であり、そのシステムに対する呼び名です。

FONのメンバーになった人は、自宅に専用の無線LANルーター(通称、FONルーター)を設置する必要があります。

このFONルーターを利用してインターネットへ接続できる環境を、メンバー間で共有することが、このサービスの目的です。

 

自宅にFONルーターを設置すると、インターネット経由でFON社へこのルーターの情報(MACアドレスなど)が届きますので、後は、FONのメンバーとして登録することにより、世界中のFONルーターで提供されているWi-Fi環境を無料で利用して、インターネットへ接続することが可能です。

海外では、有料で利用するサービスもあるようですが、日本では、無料で利用することができるメンバーとしてのみ登録できます。

 

FONによるインターネット利用環境

FONルーターからは、二種類のWi-Fi信号が発信されています。一つは、SSIDが「MyPlace」と表示されているものです。

こちらは、そのFONルーターを設置した人が利用するためのWi-Fi信号ですので、厳重なパスワードが設定されています。

パスワードに関する情報は、そのルーターの裏などへ表示されているのが通常です。

 

そして、FONのメンバーである人が、他人の提供しているWi-Fi環境へ接続する時には「FON_FREE_INTERNET(または、FON_AP)」と表示されているWi-Fi信号へ接続します。

もちろん、自宅にFONルーターを設置したうえで、登録を行った人だけが、FONメンバーのIDとパスワードで認証して接続するため、だれでも簡単に接続できるような、セキュリティ対策をしていないWi-Fi信号を飛ばしている訳ではありません。

 

自宅のWi-Fi環境を他人へ解放することには、抵抗があるかもしれませんが、FONルーターの場合、この二種類のWi-Fi信号は、それぞれが独立して発信されていますので、お互いに相手の通信端末へ侵入することができないような設計になっています。

単に、自宅で利用している他のメーカーの無線ルーターのWi-Fi環境を無料で提供するような方法とは、セキュリティの面では大きな違いがあります。

 

それと、プロバイダによっては、このような手法で、Wi-Fi環境を不特定多数の人へ解放する行為を禁止している場合があるようです。

念のため、事前に確認することをおすすめします(例、J:COM、ぷららなどでは明確に禁止していますが、利用可能とするプロバイダも存在します。)。

 

FONの展開

無料、有料を問わず、通常のWi-Fiスポットは、どうしても駅や、空港などの交通機関や商業地域を中心としたエリアを重点的な設置ポイントとしがちです。

しかし、自宅のWi-Fi環境を提供しているFONルーターの設置場所は、その逆に住宅街を中心とする傾向がありますので、お互いにアクセスポイントの少ないエリアをカバーすることになります。

FONの公式サイト(http://www.fon.ne.jp)によると、2012年2月24日の段階で、すでに全世界で500万カ以上の場所へFONルーターが設置されたようです。

一度、近所で設置されているFONルーターの場所を公式サイトで確認すると、どれだけ利用されているかがすぐに理解できると思います。