P2P(ピア・ツー・ピア)と次世代技術P4Pについて

「P2P」は、ピア・トゥ・ピア(またはピア・ツー・ピア)と読みます。

英語のpeer to peerを短縮した用語ですが、これ自体は、単に通信方式を表しているだけですので、具体的に何かをすることはできません。

ただし、このP2Pという通信方式を利用したアプリケーションは、あらゆる分野で利用されています。特に、音声通話の分野においてはなくてはならない存在です。

 

現在利用されているインターネット上で無料電話ができるアプリには、このP2Pの技術が利用されています。

そのおかげで、無料の音声通話や、ビデオ通話を利用することができるようになりました。

今後も、他分野で活躍すると思われる、この素晴らしい技術について紹介します。

 

P2Pとは?

P2Pを簡単に説明すると、パソコンなどの通信端末が対等にデータ通信をおこなう方式ということです。

これに対して、1台の通信端末(サーバ)に複数の通信端末(クライアント)が接続した状態でデータ通信をおこなっても、クライアントとして接続された端末同士は、直接通信をおこなうことができない通信方式は「クライアント-サーバ方式」と呼ばれます。

 

クライアント-サーバ方式とことなり、P2P方式の通信では、接続される端末の数が増えても、サーバに通信が集中することがないため、ネットワークの一部にだけ負荷をかけるような状態が発生しづらい、というメリットがあります。

P2Pの方式で接続された通信端末のことを「ピア(peer)」と呼びます。

その他に「ノード(node、節点)」と呼んだり、接続された端末のそれぞれが、クライアントとサーバの両方の機能をもつため、「サーバント(servent)」呼んだりすることもあります。

 

P2Pの利用

実際に、P2Pが実用化された例としては、データ配信、電話、掲示板、放送、グループウェア、分散ファイルシステム、DNS、仮想ネットワーク、地震情報などがあります。

インターネットにおいては、データを送信する相手側のIPアドレスさえわかれば、通信端末同士が直接データのやり取りをおこなうことが可能です。

このようにインターネットというネットワークのうえに、全く別のP2Pネットワークが存在して、通信をおこなっている状態を「オーバーレイ・ネットワーク(overlay network)」を利用している状態と呼びます。

 

P2Pのメリットとしては、すでに説明したように、特定の端末に通信が集中しない方式であることにより、より多くの端末に対してデータを配信できる点をあげることができます。

この特性により、必要とされる通信機器の性能を高いものにする必要がなく、利用する回線も、通信帯域のせまい安価なもので足ります。

全体としてP2Pでサービスを提供すれば、設備のコストをおさえることができます。

 

もう一点のメリットとしては、ネットワークに接続している通信端末の1台が故障しても、P2Pを利用しているネットワーク全体(会議などで、複数の人が音声通話を同時に利用しているような場合)の障害が発生しない点をあげることができます。

クライアント-サーバ方式のように、複数ある端末のうち、サーバの役目を負っている1台の端末に障害が発生するとそのネットワーク全体がダウンするようなことがありません。

 

P2Pの今後

過去には、P2P技術を利用したファイル共有ソフトによる、ユーザーが意図しないデータの流出事故や、ウィルスなどのマルウェアの感染拡大などが発生しました。

P2Pを利用した商用のシステムでは、最初からユーザーの通信端末内のデータを公開する機能を提供していないアプリケーションを利用します。

そのアプリの管理者のみが、正規のコンテンツを投入するかたちで運用しています。

P2Pは、まだまだ成長途中の技術といえます。それでも、これだけ多くの分野で利用されている、ということはそれだけ将来有望な技術といえます。

現在、P2Pに代わる通信プロトコルとして「P4P」という規格が作成中です

 

この新規格では、プロバイダが細かいネットワーク情報を、P4Pに対応したアプリケーションに提供することで、現在のP2Pよりも効率のよいデータ通信をおこなうことを目指しています。

実験の段階では、ネットワーク利用効率と転送速度を50%~70%改善できたと、新規格を作成中の「P4P技術ワーキンググループ」は主張しています。