いまさらですがPHSのお話

外出先からの電話連絡のためにPHSをもっている人は結構いるのではないでしょうか?

毎月500回までは相手の契約している電話会社に関係なく10分以内の無料通話ができるサービスを利用することが、その理由ではないでしょうか?

最も、最近では携帯電話でも同様のサービスがはじまりましたので料金面での魅力が薄れていきそうな現在の状況です。

 

しかし、PHSと携帯電話の違いはどこにあるのでしょうか?

違いよりも、類似点の方がたくさんありそうな両者の関係です。

この記事では、いまさらですがPHSの特徴と携帯との違いを主にした解説をおこないます。

今後、携帯電話の提供するサービスによっては、存在意義をなくしてしまうことさえ予想されるPHSですが、その技術には他の通信会社が提供しているサービスよりも、すぐれたところがあるのでしょうか?

PHSとは?

「PHS(ピー・エイチ・エス)」は、Personal Handy-phone Systemの略称です。

若者(特に女子高生)を中心に「ピッチ」という呼び方が広がった結果、通信事業社でさえ、このピッチという呼び方を使うようになりました。

もともとの発想としては、企業や家庭の中では、内線用のコードレス電話の子機として利用して野外にでたら簡易な基地局から公衆交換電話網に接続する、という発想で規格がつくられました。

 

当初は、料金の安さからポケットベルを利用していた学生が大量に移行したことにより、急速に契約数を伸ばしました。

その後、通話の部分では携帯電話に顧客をとられましたが、データ通信の分野では当時としては快適な速度での定額サービスにより、モバイル回線でインターネットを利用する人には重宝された時期もありました。

 

その後は、データ通信の分野でも、携帯各社の提供するサービスの充実によりその利点が失われました。

しかし、当時、PHSのサービスを提供していたウィルコム社のはじめた「ウィルコム定額プラン」により、ウィルコムの通話端末同士での無料通話を開始したことにより、長時間の通話用にウィルコムを契約する人が増加することになりました。

ところが、その後、携帯キャリアであるSoftBankがはじめた無料通話サービスや、Skypeなどの無料通話アプリの普及により優勢性もなくなりました。

 

PHSはここが特徴

PHSの最も大きな特徴は、野外に設置された基地局がカバーするエリアが、携帯電話に比べると極端に狭い点です。

携帯電話のカバーする範囲が、半径数キロメートルであるのにくらべて、PHSの場合はせいぜい半径500メートル以内となります。

基地局と、PHS端末から発信される電波信号の出力も、当然に携帯電話よりも低いものとなります(基地局で、0.5W~30W → 20mW~500mW、端末で、平均0.8W → 10mW、ピーク時80mWの違い)。この低出力のおかげで、病院内で利用している電子機器に対する影響が少ない、および内蔵電池の消費電力がすくない、というメリットもあります。

基地局同士の接続には、NTTの回線網を利用しています(ウィルコム加入者同士の通話には、独自の回線を利用して、低コストを実現しています。)。

 

現在でも、自宅で使用している電話の親機が対応していれば、PHSを内線用の子機として利用することが可能です。

当初から、デジタル方式を採用して、音声通話の情報を送受信していますので盗聴にもつよい特性をもっています。

また、基地局の設置コストが携帯電話にくらべると安価なことから、狭い空間へのエリア展開が容易であることも特徴です。

一つの基地局が担当するエリアが狭いということは、その基地局が使用している周波数帯を再利用できる可能性が高くなります。

 

それが周波数帯の利用効率をあげることにもつながります。

その他、携帯電話とは別の技術をつかって音声通話をデジタル化することにより、一般の固定電話に近いレベルの音質を実現しています。

この音質面での優位性は、携帯電話の通話で今後標準化されることが予想されている、高速データ通信回線のLTE(エル・ティー・イー)を利用した音声通話である「VoLTE」を利用することによりなくなります。

 

PHSは今後どうなる?

現在は、ウィルコムを吸収したイーモバイルが社名を変更した「Y!mobile」のみが、PHSのサービスを提供しているのが現状です。

過去にPHSが先行して実現してきた音声通話、データ通信の定額サービスについては、すでに国内では携帯電話のサービスが追いついてきました。

そのため、国内においては、よほど魅力的な内容のサービスを提供しないかぎり、音声通話の分野でPHSが活躍できる余地はないのかもしれません。

 

しかし、海外では、低コストで基地局を設置できるPHSの利点を生かした利用方法を検討している国がいくつかあるようです。

国内では、PHSの技術から進歩した高速データ通信技術である「XGP」がLTEなどの他の高速通信規格との競争に参入しています。