元はフロッピー製造エリアで野菜を無農薬生産、東芝の挑戦とは?

せっかく買ったものが無駄になることは避けたいという気持は大事です。それが原動力となって新しい道が開けることも。

これまで蓄積した知識・技術が無駄になることも避けたいものです。別の分野でもそれらを活かせることができれば、いうことはありません。ある工場を家電から野菜へシフトした東芝の新しい試みとは?それは現在の消費者にとっても非常に意味のある挑戦。そして地球規模で発生する食の不安に対する答えになるかも知れません。

本気度の高い東芝、野菜を無農薬生産

家電製品のメーカーとして、誰でも知っている東芝。その一流メーカーが2014年の5月に設立した「東芝クリーンルームファーム横須賀」。

「ファーム」という部分からも想像できるように、ここは無農薬で野菜を生産する工場です。かつてはフロッピーディスクを生産していた遊休施設を、再利用しているそうです。

実は同年7月には同じ家電メーカーのパナソニックが、シンガポールで野菜工場の運営を開始。そしてシャープも中東でイチゴの栽培を行う実験棟を建設。このように明らかに畑違いと思える分野に、大手の家電メーカーが参入するという現状。

実は野菜の生産にも、パソコンなどの製造と同じように必要なものがあります。それは生産過程の細かな管理、そして安全の確保です。安全の確保に付いては、我々消費者の口に入る野菜の方が厳しい基準を満たす必要があるでしょう(なにせ無農薬を掲げているわけですから)。それでも最後はメーカーとしての信頼性が評価の基準となります。

野菜を無農薬生産、それを可能とする技術

単なる遊休施設の再利用というレベルではありません。すでに2014年の11月には東芝ブランドの野菜が、東京都内の店舗へ出荷されています。現在、レタス・水菜・ほうれん草などを生産しているそうです。

植物の成長に必要な光・水・空気などは全て完全管理されている環境。そのため天候によって収穫量が左右されることもありません。これはまさにパソコンなどの製品を生産しているのと同じ状況です。

将来の収穫が予定通りになるという未来の農業。これまでのように数カ月後にならないと結果が分からない旧来の方法では、ありえない状況です。しかも無菌状態であるため、農薬の使用という野菜などの食品につきものである最も気になる問題とは無縁です。

東芝による挑戦の意義

東芝では、最終的にはこの事業を同社で提供している調理用家電製品と連携したり、野菜工場を運営するノウハウを商品として販売したりという方向で、ビジネス展開するという構想を持っているようです。

現在は一般的な食材となる野菜を生産していますが、将来的には高級野菜とされている種類を生産するという目標もあるようです。どちらにしても安全な野菜であれば、安売りする必要はありません。安全を買うことの意味を知っているのが、ほとんどの日本人です。

安全なものを適正な価格で販売するというまさに日本的な商品。今後は食品の分野でも、そのような製品が海外で高い人気を獲得するかも知れません。