電源ケーブル不要、それがPoE(Power over Ether)の存在する理由

通常の通信機器は、なんらかの方法で電源を供給しなければ動作しません。

内蔵電池を定期的に交換するという方法もありますが、機器の数が多くなると現実的ではありません。また設置場所が極端な場所であれば、電池交換の手間を考えて機器自体を交換する方がコストを抑えることになるかも知れません。

それでは通信機器に接続されているLANケーブルを利用して、電源を供給する方法はどうでしょうか?

PoEによる電源供給のメリットは明白

有線LANには欠くことができない存在であるEthernetのUTPケーブルを利用して、データの送受信と電源供給を同時に行う技術が「PoE」。

一般的な通信機器ではデータ送受信とは別の配線で電源を供給する必要があり、それだけ配線工事にもコストがかかります。1本のケーブルで、通信と電源供給の2つに対応できPoE技術のメリットがいかに大きいかは明白です。

PoE技術を採用している通信機器に対して、最大で15.4Wの電力を供給できる「IEEE 802.3af」。

さらに高い電力(30W)を供給できる「802.3at(PoEプラスと呼ばれます。)」がPoE規格として存在します。

特に多数設置される無線LANのアクセスポイントやIPカメラやIP電話機などには、この技術が必須とされます。数百台、数千台の機器に電源を供給するために電気工事を行う手間を考えてください。

PoE技術を利用するには専用の機器が必要

一般的な存在とはいえないのがPoEに対応した通信機器です。どちらかというと法人向けの製品に限られるのが現状です。

ところが最近では値段もかなり安くなってきたようです。例えばバッファロー社製のPoE対応機器である「BSL-POE-G2105U(メーカー希望価格\19,800)」などは、15000?16000円(税抜)で販売されています。

PoE対応機器用の給電LANポートを4つ備えたこの製品は、接続されたPoE対応機器へ30Wの電力を供給できる802.3at規格に対応。

全ての有線LANポートがGiga対応(=1000Mbps対応)という高機能な製品です。そのためIPカメラの高画質な映像もスムーズに転送できます。

そして最大で100メートルの転送距離を実現。この程度の金額まで製品価格が下がったということは、メーカーとして今後は小規模オフィスや一般家庭への導入を目論んでいるのでしょう。

BSL-POE-G2105U http://buffalo.jp/product/wired-lan/switch/bsl-poe-g21u/

PoEの発展は、まだまだこれから

一般家庭や小規模のオフィスでは、多数のIPカメラやアクセスポイントを設置する必要がありません。

4つ程度のLANポートで十分という環境がほとんどでしょう。今後はIPカメラなどの製品もPoEに対応したものが多数派になるでしょう。

このPoE技術を採用すれば、IPカメラなどの製品自体のコンパクト化が可能となる上に、製造コストも削減できるというメリットも。さらに電源を供給するために配線工事を行う必要がない点も考えると、選択の余地はなさそうです。