ムーアの法則の行き着く先はどこか?終着点はあるのか?

「法則」という単語が後ろに付くのであれば、それは世の中の全ての出来事に共通したルールであり、それに反するような状況は絶対に起こらないと思ってしまいます。

ところが、なかには将来的に適用されなくなる可能性のある法則も存在するようです。

そんな性質を持っている存在である「ムーアの法則」に付いて解説します。この法則は、ある人の表明した見解が独り歩きをして、いつの間にか法則化された歴史があるようです。

ムーアの法則は、コンピューターの進化を予測

CPUなどの半導体メーカーとして有名な米国のIntel社の創業者でもあるゴードン・ムーア氏が示した1つの指標が「ムーアの法則」。

これは1965年に発表した彼の論文に示された大規模集積回路の進化(複雑化)に関する今後の見通しに基づいたものです。ただし、この指標を法則としたのは本人ではなく、他の研究者です。

ところが実際にその後の集積回路の密度が、おおよそ18~24ヶ月で倍増したことで、現在では「ムーアの法則(半導体の集積密度は、おおよそ18~24ヶ月で倍増する。)」として知られるようになりました。

現在では集積回路の密度はこれほどのスピードで向上してはいませんが、情報処理の速度として基準となる「クロック周波数」や「価格対性能比」の向上に当てはめることで、現在でも法則は有効とされてきました。ただし今後もこの法則が当てはまるかについては微妙です。

ムーアの法則にも限界あり?

集積回路の密度を倍増させるうちに、消費電力の増加と発熱という問題が発生。

この問題に対しては比率をそのままにしてICの大きさを縮小するという方法(スケーリング理論)によって対応して、さらに密度の倍増を継続しています。

スケーリング理論によれば、大きさを70パーセントに縮めると面積は約半分になるため、コストも約半分になるということです。

それでもこれ以上は縮小できないと思われる限界は存在します。今後はいかに微細化を進めるかという部分で新技術を開発すれば、ムーアの法則をこのまま実現できるかも知れません。

すでに微細化も原子の数個分のパーツを製造する段階まできているそうです。今後は原子のレベルにまで微細化した集積回路が主力製品になるということでしょうか?

ムーアの法則はさらなる段階へ

今後の課題として、集積回路の微細にともなる複数の問題を解決する新技術の開発を挙げる必要があります。

微細化すればすれほど発生する「リーク電流」の増加、そして特性のばらつきは深刻な問題となっています。

今後も技術改革によってムーアの法則に沿った集積回路の微細化が進むと考える人と、そろそろ限界がやってくると考える人がいるようです。

どちらにしても集積回路に使用する素材からして、新しいものを探す必要があるでしょう。研究の段階ではすでに他の素材によって、ムーアの原則の限界が到来する時期をさらに延長させる可能性が確認されています。

最も限界の到来を遅く見積もっている研究者によると、ムーアの原則は今後600年程度維持されるそうです。