超高速インターネット衛星きずな(WINDS)で、情報格差の解消を

衛星を利用して、一般的な光回線よりも高速にデータを伝送できるとしたらどうでしょうか?

野外に設置したCS放送と同じ程度の大きさのパラボラアンテナで、100Mbps以上の通信速度を実現できるとしたら、興味を持ちませんか?

将来、衛星を経由して野外でも簡単に超高速のデータ通信ができるようになれば、どのような世界になるでしょう。その可能性を秘めたインターネット衛星きずなを紹介します。

超高速インターネット衛星きずなとは?

2008年の2月に打ち上げられた超高速インターネット衛星「きずな(WINDS)」。

この衛星は政府の「e-Japan戦略」の一環として研究開発が進められています。

現在の性能を簡単に説明すると、野外に設置した直径45センチ程度のパラボラアンテナを経由して、下り最大で155Mbps上り最大で6Mbpsという高速のデータ通信を可能とします。

設置するパラボラアンテナの直径を5メートルまで拡大すると、最大で1.2Gbpsという現在の一般的な光ケーブルのサービスでも実現できない速度のデータ通信を可能とする性能を実現。さらに最近の実験では新たな通信方式を採用した結果、最大で3.2Gbpsという伝送速度を達成しました。

超高速インターネット衛星きずな、宇宙インフラの実証担当

超高速でデータを伝送できれば、あらゆる分野で活用できる可能性があります。

大規模災害の発生時にこの衛星を利用して、被災地の病院に保管されたカルテや避難所の情報を共有する実験をすでに行っています。

この衛星のカバー出来るエリアは、アジア太平洋全域となっているため、日本と他の国に間に高速のデータ通信網を構築できるわけです。

このような対応を行えばアジア各国の間にも存在する情報格差(デジタル・ディバイド)を解消する1つの手段としても有望です。

人工衛星を利用して宇宙規模のインフラを整備しようという構想は「i-Space(アイ・スペース)」と呼ばれています。この構想も政府の「e-Japan戦略」から生まれました。今後多少の軌道修正をしたとしても、将来の日本を含めたアジアの通信事情に大きな影響を与える構想です。

超高速インターネット衛星きずなによって、情報格差を解消

もともとはi-Spaceという大きな構想に従って誕生した衛星きずなですが、その後の日本国内での高速通信網の発展によって、主に災害時における非常用通信と高速通信網が発展していないアジア地域における活用が現在の任務となっているようです。

ただし野外でも簡単に高速のデータ通信を可能とする機動性を考慮すると、各家庭に高速の通信回線が引かれている現状であっても、活躍できる余地が大いにあるでしょう。

将来遠隔操作されたロボットが野外での作業を担当する際にも、野外で作業を行っているロボットを遠隔地からコントロールするためには、どうしても機動性のある高速データ通信の手段が必須となります。

まだまだ無用な存在になるとは思えない衛星きずなです。