ベアリングに感覚を持たせるとどうなる?それがSKF Insight&SKF Enlight

我々が直接目にする機会はなくても、現在あらゆる場所で活躍しているベアリング(軸受け)は、常に大きなストレスが掛かる環境で黙々と役目を果たしています。

もしもこのベアリングが故障すれば、すぐに大きな問題が発生するということは容易に想像がつくところです。

そのような問題の発生を防ぐために開発された新技術を紹介します。

ベアリングが感覚を持つと?

スウェーデンのSKF社が開発した新しい技術「SKF Insight」と「SKF Enlight」を採用したベアリング(軸受)は、単なる部品とは呼べない存在です。

これまで人間の感覚によって故障の兆候が検知されない限り、ひたすら酷使されていたベアリング。そのなかには交換するだけで、数億円のコストがかかるものさえ存在します。

故障の前兆を早めに検知してすぐに対応することで、部品まるごとの交換を避けることができれば、それだけ運用コストを削減できます。

そのために大型ベアリングの内部に設置したセンサーによって収集したデータを、無線通信で直接SKF社のコントロールセンターへ送信する「SKF Insight」。

小型のベアリングを監視するためにセンサーを直接モーターに取り付ける「SKF Enlight」という2つの技術が開発されました。

ベアリングもセンサーを内蔵してデータ収集

SKF Insightはベアリングの回転を利用して発電した電力でセンサーを駆動するため、特に外部から給電する必要がありません。

現在、風力発電や電車の車輪に内蔵させて検証実験を行う予定があるそうです。

一方のSKF Enlightはモーターに磁石で接触させたセンサーからのデータを、無線接続(Bluetooth規格を採用)したタブレットやスマートフォンへ送信します。

次に専用アプリによって収集したデータを分析すれば、ベアリングに異常が起こっていないかどうかを自動的に判断できます。この専用アプリのおかげで検査の担当者には特別な知識は不要。

もしも専門家の判断が必要なときは、収集したデータをそのままSKF社のコントロールセンターへ送信します。

そして専門家から現場の担当者に対して、例えばベアリングに油をさしたり、部品を交換したりといった指示を行います。

ベアリングが感じるのは故障の予感

人間の感覚では検知できないような異常な振動や、温度を知ることができる各種センサーを内蔵したベアリング、又は同様の機能を持ったセンサーを取り付けたモーターの存在。

このような環境が将来の工場では一般的な姿になると思われます。特に大型のベアリングを必要とする分野は、我々の生活に必要な電気や公共交通機関に関係していますから、事前に不調を知ることができるシステムの存在は頼もしいところです。

今回紹介したような特殊な分野に限らず、不調を事前に知ることができる製品の登場は今後も期待されます。

身近で使用されている製品に使用されている各種パーツの不調も、やはり我々の生活に大きな影響を与えるハプニングであることには変わりません。