数キロとどくスーパーWi-Fiは米国でスタートした新サービス

一定の要件を満たせば自由に利用できる現在のWi-Fi規格ですが、その信号が届く範囲は極狭い範囲に限られています。

信号が届く範囲が狭いことで、他の人が利用しているWi-Fi通信と干渉する可能性が低いわけです。

ところがこの常識に反するような通信規格が、米国で利用できるようになったことを知っていますか?遠距離での通信を可能とする「スーパーWi-Fi(ワイファイ)」の話題を紹介します。

スーパーWi-Fiは米国でスタートした新しい波

2010年に米国で認可された新しい無線データ通信方式「スーパーWi-Fi」。

これまで比較的狭いエリアで利用されてきた一般的なWi-Fi規格と比べると、非常に広いエリアでの通信を可能とする点が大きく異なります。

これは米国のスーパーWi-Fiが使用する周波数帯が、テレビ放送と同じ帯域である「50~700MHz帯」であることによります。

Wi-Fiのように高い周波数帯(2.4GHz帯、5GHz帯)を使用しないことで、障害物を回り込みやすいという特性も持っているスーパーWi-Fiの今後の発展は可能でしょうか?

実は電波に利用方法に関しては、国ごとに異なる基準で設定された規制が存在します。

スーパーWi-Fiは理論的には最大で約100キロメートルの範囲まで信号が到達して、最大で22Mbpsの通信速度でのデータ通信が可能ですが、その実際の運用は簡単ではありません。

スーパーWi-Fiが利用する「電波のホワイトスペース」

新しい無線規格となるスーパーWi-Fiがテレビと同じ周波数帯域を使用すれば、テレビ放送と混線する可能性はないでしょうか?

実は、スーパーWi-Fiが使用する帯域は、実際には放送や通信で使用されていない「ホワイトスペース」と呼ばれている帯域です。当然ですが、国と地方によってホワイトスペースの実際の周波数帯域が異なります。

複数の周波数帯域を使用しているサービスがお互いに干渉しないように、割り当てられた帯域の全てを使いきっていないのが通常です。

そのホワイトスペースを利用するスーパーWi-Fiが開始されている米国では、各地域のホワイトスペースが記載されている「ジオロケーション・データベース」に従えば、無線の免許なしでもスーパーWi-Fiの電波信号を使うことが可能です。

スーパーWi-Fiの日本上陸は可能?

米国のように、データベースに従えば自由にホワイトスペースを利用できるという制度がない日本。

すでに地デジ(地上デジタル放送)の空きチャンネルを利用した放送局が誕生しています。

それが震災復興情報を届けることを目的として、福島県南相馬市でテレビ放送を開始した「南相馬チャンネル」です。

ところが米国のようにインターネットへの接続手段として、ホワイトスペースを利用する方向には向かっていないようです。

南相馬チャンネルのように免許の取得を前提とした昔ながらの方法でしかホワイトスペースを利用できないようでは、我々が直接恩恵を受ける未来は期待できないでしょう。

将来的にほとんどの放送局がインターネット経由で番組を放送する形態になれば、事情も変わるかも知れません。