折り紙の鶴も折れます!手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」

医師がいない地域で手術が必要な病気にかかった場合、何か良い方法がないでしょうか?

SFの世界では医療用のロボットがてきぱきと業務をこなしている姿があります。

ロボットの判断で外科手術を行う部分に付いては、確かに飛躍しすぎでしょう。ただし遠隔地からでも手術できるシステムの存在自体は現実的な話です。

我々の将来が少しだけ明るくなりそうな手術支援ロボットの話題を紹介します。

ダ・ヴィンチは手術するロボット

米国のIntuitive Surgical(インテュイティヴ・サージカル)社が開発した「da Vinci(ダ・ヴィンチ)」は、医師が遠隔操作できる手術支援ロボットです。

日本では2009年に国内での製造販売が承認されました。その後2014年の4月にダ・ヴィンチによる前立腺がん全摘出が、初めて保険適用を受ける手術として行われました。

遠隔操作する医師は「サージョンコンソール」と呼ばれている操作台に座り、その中に映しだされた3D画像を見ながらアームを操って幹部の切除や縫合を行います。

3Dカメラで撮影されている体内の様子は立体的に表示されます。

またズーム機能によって、手術している場所を最大で15倍まで拡大できます。実際の手術を担当するアームは3本あり、その先に様々なタイプの鉗子(かんし)を装着できます。

アームには人間の手と同じか、それ以上の可動域があり2回転させることさえ可能です。このアームを体に開けた小さな穴から差し込んで手術を行います。

ダ・ヴィンチの可能性は無限大

直接人間の手で手術を行っている場合に発生するのがヒューマンエラーです。

例えば何らかもトラブルで手術道具を持った手が、予想外の方向へ動くような場合です。その点、この機器では操作している際に発生する手先の震えや極端な動きなどの予想外の動きは、そのままダ・ヴィンチのアームに伝わらないように設計されています。

そのため誤操作によって問題が発生する可能性は極端に低いと言えます。

またロボットのアームの操作性は非常に高く、ブドウの皮をむいたり折り紙で鶴を折ったりする様子がインターネット上で公開されているほどです。

このようなロボットを使った手術の方が、開腹する方式よりも合併症の発生率が低いことが知られています。

それだけ患者の負担を軽減できる方式であると言うことです。当然、手術後の回復も早くなります。平均すると開腹手術よりも1週間程度早く退院できるようです。

ダ・ヴィンチの将来は?

今後の課題としては、さらに患者の負担を減らすためにアームの数を一本に減らすことを検討しているようです。

おそらく一本のアームが体内で複数の作業に対応できるタイプとなるでしょう。このような方式の外科手術が一般化すれば、これまで体力の低下によって開腹手術を諦めていた人が健康を取り戻せる可能性が出てきます。

ダ・ヴィンチを使った手術では輸血をする可能性がほとんどないという事実も、体に負担のかからない方式であることを物語っています。

またネットワークの発展と法整備がすすめば、国内にある数カ所のコントロールセンターに勤務している外科医が、全国各地に設置したダ・ヴィンチをコントロールするような時代がやって来ることは確実でしょう。