AiRScouterは業務用ヘッドマウントディスプレイ

夢が現実になることには、そろそろ驚かないようになりました。

それでも実際に新製品の性能を確認するたびに、その進化に感動することがあります。

特に業務用の製品では、例え高額であっても性能がそれに見合えば商売として成立するため、コストよりも性能の向上を優先しているようです。業務用であっても身近に感じることができる新製品について解説します。

AiRScouterの実現する世界とは?

ブラザー工業が製造している「AiRScouter」は、業務用のヘッドマウントディスプレイです。

この製品を頭に装着して片方の目の前に小型の表示部をセットします。

すると実際の風景に重なる形で、接続したパソコンなどの画面が表示されるように設計されています。

これまで書類や設計図を確認するたびに、視線を別の場所へ移していた動作が不要になります。

これがどれだけ作業の効率をアップするのかは、誰でも想像できると思います。

その他にも現場の作業員に対して遠隔から指示した内容が、目の前に表示されるような利用方法も有効です。これまで熟練した担当者でしか対応できなかった作業を、誰でも対応できるようにするようなシステムが想定されます。

現場に指示を出す管理センターにいる担当者が、複数の現場担当者をコントロールできるようになれば非常に効率が上がります。

AiRScouterの特徴

現在の最新モデルである「WD-200S」は2015年の秋ごろに出荷される予定で、価格は20万円前後と予想されています。

それまでのモデルとは異なりヘッドセット型となったことから、メガネを着用していてもそのまま装着することが可能です。前モデルではメガネ用とそうでないタイプの2種類が提供されていました。

さらにパソコンなどの端末との接続方法が、USBから一般的な映像入力端子である「HDMI」と「コンポジット」に変更されました。頭に装着するヘッドマウントユニットの重さは約141グラムです。

ヘッドセット型となり、これまでのモデルよりもズレにくくなることが期待されるデザインです。

細かいピント合わせを行うことで、表示されるモニター画面と作業対象の両方が同時に見えるように設定できます。またダイヤルの操作によって30センチから5メートルの間でピントの位置を調整することが可能です。

ピントを1メートルに合わせると表示される画面のサイズが、ちょうど対角13インチになります。かなり細かい文字であっても正確に表示できることが検証されています(ピント位置に関係なく12ポイントの文字を視認可能)。

AiRScouterを利用した医療の将来

設定によって画面の透過性も調整可能ですから、今後採用される分野が増えることが予想されます。特に期待されるのが医療分野での採用です。

治療の様子を遠隔から確認して、多数の専門家が患者の様子を確認することで治療方針を決定することができます。また、事例の少ない方式の手術であれば、他の国に在籍している経験豊かな医師が細かい指示を出すような形態も想定できます。

解像度のアップ(1280×720ドット)も実現した新製品では、これまで以上に詳細な画像を作業担当者に表示できるようになりました。熟練した担当者が一人いれば、複数の作業を同時進行で行うことができるこのような製品は、今後予想される人手不足を解消する救世主となりそうです。