メニーコアCPU時代の到来で世界は変わる?

多数のメンバーが集まって問題を解決するには、場所や費用がかかります。

とは言っても一人では対応できないような仕事量があるときには、そのコストもやむ得ないものとして、受け入れる必要があります。一人で行う仕事のスピードには限界があるからです。それはコンピューターの世界であっても同じようです。

しかし、生身の人間とは異なるコンピューターの世界では、われわれにはとても真似のできない方法でこの問題を解決しています。どのような方法で限界を突破しているのかを解説します。

メニーコアCPUとは結局なに?

メニーコアCPUとは、人間に例えると、ひとつの頭の中に複数の脳が入っている状態でしょうか?

複数の人が集まって考えるよりも効率的であることは明白です。コンピューターの世界では、いかに情報処理の速度を向上させるかというテーマに長年取り組んできました。

結論としては主要なパーツであるCPUの処理速度を向上するために、そのクロック周波数を高める手法にはそろそろ限界が見えてきたと言うことです。

次に考える高速化の手法としては、1つのCPUの中に実際に計算を行う「コア」を複数搭載する方法が考えられました。すでに、このようなタイプの製品が一般的に利用されています。それはコアを2個とか4個搭載しているものです。中には8個搭載しているようなタイプも存在しています。1つのCPUあたりのコアの数が10個を超えるあたりから「メニーコアCPU」と呼ばれるようになります。

メニーコアCPUの可能性は?

1つのCPUの中に複数のコアを搭載することは、処理速度の向上以外にもメリットがあります。それはCPUのクロック周波数を上昇させると発生する消費電力や発熱量の増加にも、対応できる点です。これは将来的に実現が要請される高性能コンピューターのコンパクト化にも応用できる技術となります。

現在では、1つのCPUに「1000個」以上のコアを搭載したタイプが製造されています。それだけのコアを搭載していながら、消費電力の面では世界最高レベルの効率を実現しています。このように複数のコアが搭載されているCPUを有効利用するには、それをコントロールするOSの側を「メニーコアCPU」に対応して設計する必要があります。例えば「Windows 8」では、理論上は64個のコアに対応できるように設計されています。

メニーコアCPUによる進化

今後の開発予定のなかでは、すでに次の利用形態が構想されているようです。それは1個のCPUの中で、複数のOSを起動できるような仕組みです。仮想環境を構築して複数のOSを起動する技術は現在でも存在していますが、そうではなくて、コアごとに別のOSを起動することができる形態です。これを「ヘテロOS」とも呼んでいるようです。

ヘテロOSの形態では、仮想環境を構築する必要がないため、非常に効率良く情報処理を行うことができると予想されます。メニーコアCPUの進化によって、他にも驚くようなアイディアが登場しているようです。メニーコアCPUの省エネ化がさらに進めば、近い将来には、腕時計型のスーパーコンピューターが、太陽電池を動力にして複雑な計算を一瞬で終わらせるような状況が実現するかも知れません。どうやら省エネと性能の向上は相反する関係ではないようです。