光回線とのセットで料金割引 光サービスとMVNOの新しい関係

すでに安定期に入っても良さそうな通信業界ですが、巨人であるNTTの投げた石が波紋を広げているようです。

しかし、それはユーザーにとっては良い方向に向かいそうな変化です。もしかしたら、石を投げた側が予想しているよりも大きい波になるかも知れません。そして、通信業界のさらなる変革を招くきっかけになるかも知れません。それが光サービスとSIMサービスのコラボレーション(共演)です。それが、どのような結果を招いたのかを解説します。

光回線との「セット割」はどこが新しい?

光回線との「セット割」は、他の通信会社への「卸売」が可能となったNTT東西の光回線と、格安でのモバイル通信を提供できるSIMをセットにして契約する場合に適用される割引制度です。

提供しているのは、SoftBankなどの自社で携帯電話のネットワークを持っている通信会社ではありません。

これまでSIMカードのみを提供していたMVNO(仮想移動体通信事業者)が光回線を仕入れているところが、これまで想定されなかった新しいサービスを生み出した原因です。

これでMVNO各社は自前の回線設備がなくても、光回線を提供する新しいサービスを自由に提案できることになりました。

当然ですが、固定回線とモバイル回線を同じMVNOで契約すれば、通信料金を大幅に削減できることになります。

光回線との「セット割」で有利になるのは?

すでにNTTの「フレッツ光」を利用している人は、そのままMVNO各社へ「転用」することによって、回線工事をすることなく契約の形態を変更できます。

これはNTTへ連絡して「転用承認番号」を取得して、乗り換える先のMVNOのWebサイトから、または直接の電話によって申し込みを行うだけで済みます。各MVNOが魅力的な割引プランを用意していますから、検討する余地はあると思います。

現在のところ、各MVNOの提供しているプランでは、セット割引の適用によって光回線の月額料金が、集合住宅プランで4000円前後(プロバイダ料金含む)となります。これは通常のNTTのプランに比べると1000円弱安くなる計算です。これにプラスして複数のSIMを格安で利用できるプランを選択すれば、さらに通信コストを削減することが可能です。

光回線との「セット割」が後押しをする可能性あり。

NTTとしては、同じグループの企業であるNTTドコモのモバイル回線とセットにした光回線の契約を獲得することを目論んだ結果、光回線の卸売という奇手を編み出したものと予想されます。しかし、この選択がMVNOの更なる躍進を生むことになりそうな状況です。一例としてMVNOの「U-NEXT」を例にして、戸建て向けの光サービスと、3台のモバイル端末で通話とLTE回線を利用する場合を考えます。

するとNTTの光サービスとドコモをセットにした場合の半分以下のコストになります。しかもLTE回線の通信容量による速度制限がないとくれば、誰にでもMVNOと光サービスのセット割の優位性が分かります。このように、ますます面白くなりそうな通信業界の現状です。最終的にどの通信会社が優位に立つのかは予断を許しません。