移動式ICTユニットWi-fi環境を利用して携帯通話OK!

大きな災害や事件が発生するたびに発生しているのが、通信回線がダウンする現象です。

これは通信回線自体に問題が発生した場合と、単に利用者が急激に増加した場合に分かれます。どちらにしても、多くの人が利用している回線が利用できなくなることは防ぐ必要があります。

しかし実際に通信サービスを提供している設備は巨大で複雑であり、その修復には長時間かかることが予想されます。そのような場合に、常識に反する方式で通信回線のダウンに対応できる「移動式ICTユニット」について解説します。

移動式ICTユニットとは?

移動式ICTユニットとは、インターネットと音声通話のサービスを提供する各種の設備を、簡単に持ち運びできるようにしたものです。

例えば自動車に積み込んで運んだり、一部の機能だけをアタッシュケースに入れて持ち運んだりできる程度にコンパクト化されています。ほとんどの通信機能を車に搭載しているタイプでは、現地で光回線や衛星回線を経由してインターネットへ接続します。

そして周辺にある携帯電話に対して、音声通話ができるように必要な電波信号を発信します。さらにwi-fi環境を経由した無線および有線LANの回線を提供して、パソコンなどの端末からインターネットへ接続できる環境を構築することが可能です。

車でも行くことができない場所であれば、さらにコンパクト化されたシステムを持ち込むことができます。

移動式ICTユニットで解決できる状況とは?

このようなシステムが活躍できる分野に付いては、言うまでもないと思います。すでに2013年11月の台風で大きな被害を受けたフィリピンのセブ島では、このシステムを採用した検証実験が現在行われています。今回の検証に使用しているNTT社が開発したICTカーは、外部電源がなくても5日間以上にわたって各種の通信サービスを提供できます。

また現地に到着してサービスを提供できるまでの準備時間が、1?2時間程度となっています。災害時にこのような対応ができれば、どれほど多くの被災者が助かるでしょうか?wi-fi機能に特化したタイプでは、人力で運ぶことさえ可能です。このタイプでは普段利用している携帯電話の番号を利用して、wi-fi回線から発着信することが可能となっています。

移動式ICTユニットが提供するものは安心とつながり

このようなサービスの存在によって、どれだけ多くの人が安心して暮らせることでしょう。災害の発生によっても通信環境が損なわれることがなければ、安定した通信環境の存在を前提に生活しているわれわれが、路頭に迷うことはなさそうです。

できれば、このようにコンパクト化されたICTユニットが、各自治体の拠点に常備されている状況が望まれます。

災害時にも遮断されることのない通信環境が一般化すれば、過去に発生したような被災地でのパニックやデマの拡散を防げる可能性が、高くなることが予想されます。

人間は社会の一員として常に他の人との通信が途切れない状況を、本能的に求めてしまう生物であるようです。