TransferJet(トランスファージェット)は高速でのデータ転送を可能とします

数十メートルも離れているパソコンなどとの間で、データのやり取りを行うことができる技術であるwi-fiネットワークは確かに素晴らしい存在です。

しかし、遠くまで届くということは、それだけデータが流出する可能性が高くなるということでもあります。

すぐ側にある端末へデータを転送すれば、それで目的を達成する場合でも、全く同じ危険を負担するのはどうでしょうか?

できれば、遠くまでデータを届けることができない代わりに、wi-fi規格よりも大容量のデータを転送できる方法はないでしょうか?

そのような場面で活躍できる無線転送技術が「TransferJet(トランスファージェット)」です。

TransferJetとは?

TransferJetとは、日本のメーカーであるソニーが開発して、2008年に一般公開された近距離での高速無線データ転送を可能とする技術です。

開発時のコンセプトは、3センチ程度までの近距離でのみ利用できる代わりに、転送できるデータ容量を最大で560Mbpsにまで向上させた技術、というものでした。利用する無線信号の出力が微弱であることから、他の無線技術と干渉したり、データを盗まれたりする可能性が低いところが特徴です。

またwi-fiネットワークを利用した場合よりも、はるかに高速なデータ転送が可能です。すでに商品化されている規格ですので、すぐに対応したアダプターを購入できます。

例えば東芝製のUSB端子に接続するタイプが、実勢価格5600円前後で販売されています。

この製品(TJ-MUA00A)は、パソコン(Windows 8/7に対応)のUSB端子に対応したタイプと、AndroidのスマートフォンやタブレットのMicroUSB端子に対応したタイプが、セットになっています。

iPhoneなどのiOSデバイス向けの製品は、2015年の春頃に販売を開始する予定です。実際にファイル転送を行うためには、転送用のアプリをWebサイトまたはGoogle Playストアから、インストールする必要があります。

データを受信する側で専用アプリを起動しておき、送信する側で対象のファイルを選択してTransferJetのアイコンをタップした後で、両方の端末を近づけるだけでデータ転送が始まります。

パソコンでは専用アプリの送信ボタンをクリックすると、ファイルの選択画面が表示されます。

TransferJetの特徴

端末同士を近づけるだけで全て終わってしまいますので、逆に不安になるかもしれません。

しかし初めて接続する相手であれば、データを送受信する前の段階で、お互いの画面に認証画面が表示されるように設計されているため、間違って別の端末がデータを受け取る心配はありません。

一度データを送受信した相手の機器IDが記憶されることによって、同じ相手からのデータ転送であれば再度の認証手続きが不要になります。この機器IDは、端末のUSB端子に接続されたTransferJetアダプターごとに設定されているものです。

接続時に認証を必要とする上に、もともと近距離のデータ転送のみを可能とする規格ですので、データ流出の危険性は非常に低いと言えます。現在のセキュリティ対策の傾向に合致した通信手段ではないでしょうか?

また今回紹介した製品で使用する専用アプリには、対応した機能がありませんが、この規格自体には、データを転送できる相手を限定できる機能が提供されています。実際には数センチ以内に存在する端末のみが対象となる転送技術ですので、よほどの重要情報を扱うのでもない限り信頼しても、良いのではないでしょうか?

TransferJetの可能性

東芝以外にも多数のメーカーが、この規格を採用した製品を販売することが予想されます。それほど魅力を感じる理由としては、まず大容量のデータ転送を短時間で簡単に行うことができる点を、挙げることができます。

それと情報保護観点からも、魅力を感じるのではないでしょうか?近くでなければ利用できない、というと短所のように感じますが、それが逆に長所になるところが、この技術を採用した製品が好まれる大きな理由です。