GoogleのProject Ara(プロジェクト アラ)は新時代のスマートフォン

外食する際に、必ず定食を注文する人もいれば、自分好みのオカズを、好きなだけ選んで、自分の皿に載せる人もいると思います。

その日の気分で、野菜を多めにしたり、いつもなら牛肉なのに、今日は、鶏肉にしたり、と言うような選択ができる方が良い、と考える人もいるでしょう。

しかし、スマートフォンや携帯電話の世界では、基本的に「定食」方式で、製品を提供することが常識であり、せいぜい数種類の機種を用意して、そのなかから選択できる程度の品ぞろえが、一般的でした。

しかも、その端末自体を新品に交換しなければ、それが発売された後に開発された新機能を利用することは基本的にできませんでした。

もしも、後から、一部の新機能だけを追加することができれば、どれだけ助かるでしょう。また、自分にとっては不要な機能を外して、必要最低限の機能だけを搭載した端末を、利用できればどうでしょうか?

このように、まるで、ブロックを組み立てるように、自分専用のスマートフォンを持つことが出来る仕組みが存在します。

それが、Google社が提供している「Project Ara(プロジェクト アラ)」です。

Project Araとは?

金属フレームの状態で提供される本体に、ユーザーが必要とする機能のみを、組み合わせることによって完成させるスマートフォンです。

構成している各機能は、それぞれがパーツ化されていますので、自由に交換できます。

例えば、新しい通信規格の開発によって、現在の機能が旧式のものとなれば、そのパーツのみを新品に交換できます。

また、一般的な機能であっても、現在のユーザーの利用環境にそぐわないと思われる場合は、それに対応するパーツを取り外すことによって省略することが可能です。

さらに、内蔵電池に該当するパーツを、多数組み込むことによって、通常よりも長時間利用できる端末へ進化させるようなことも可能です。

この製品によるメリットが、ユーザー側にのみ存在する訳ではありません。

例えば、Android OSの新機能を、Googleが開発したような場合、これまではスマートフォンのメーカーが、それを搭載した製品を製造しないかぎりは「絵に描いた餅」とも表現できる状態でした。

ところが、その新機能を利用している端末に追加できるパーツのみを、製造さえすれば、ユーザーの判断によって、端末に新機能を追加することが可能です。

最初の例で言えば、新しく追加された「オカズ」を皿に載せるかどうかは、あくまで食べる人が判断することになります。

Project Araは可能性の塊?

これまでのように、スマートフォンのメーカーが、新機能を搭載するかどうかを判断していた状況が、この新しい仕組みによって、全く異なる世界へ変わっていくことが予想されます。

ユーザーが、お好みの機能のみを選択できるようになれば、これまでのように、利用する可能性のない機能を含めて、製品の価格が決定されることはありません。

当然、使用する人が少なくなった機能は、自然と消滅することになりますが、その判断はユーザーによって行われます。

Android OSを開発しているGoogleにとっても、新機能を、すぐにスマートフォンへ搭載できる体制になることは歓迎すべき状況です。

製品開発の主導権を、OSを開発している側が握ることによって、ユーザーにも大きなメリットが生まれそうです。

ソフトウエアと、ハードウエアの開発が、ほぼ同時進行となり、わずかな出費によって、パーツを交換すれば、現在所有しているスマートフォンを、すぐに最新の機能を搭載した通信端末へ変身させることが可能となります。

Project Ara的な発想の転換

機能を自由に選択できるだけでなく、見た目の部分でも、独自性のある端末にすることが可能です。

それは、3Dプリンターを利用して、ユーザーの希望通りのデザインの外観を実現することを想定しているからです。

自分の撮影した写真などを元にして作成できますし、材質も選択できるようにすれば、独特の質感を持つ、世界に一つだけ存在する端末を手に入れることも可能です。

このように、機能も、外観も自由に設計できるスマートフォンは、これまでの常識を破壊するだけではなく、他の分野へも影響を与えそうな予感がします。

完成された姿で、メーカーが製品を提供することが常識となっている分野であればあるほど、影響される可能性が高いのではないでしょうか?