SiRFusion(サーフュージョン)はwi-fiアクセスポイントを利用した道案内

店舗を構えて、何らかのサービスを提供している側としては、まずはそのサービスを展開している場所を、知ってもらう必要があります。

また、ある店舗を目指している人にしても、現在地を知ることによって、初めて目的地との位置関係が分かりますので、やはり、できるだけ正確な現在値の情報を知る必要があります。

このような場合、上空に遮るものがなければ、GPSからの信号を捉えることによって、かなり正確な位置を知ることができます。

しかし、ビルの谷間や、建造物、および地下街などの中にいると、それは困難です。このような場合でも、正確な現在値を知ることができる手段として、期待されている新技術が「SiRFusion(サーフュージョン」と呼ばれているものです。

しかし、GPSの信号を期待できない場所で、どのような方法で現在地を確認できるのでしょうか?

SiRFusionとは?

英国の通信機器のメーカーであるCSR社が開発したシステムで、屋内でも、現在の位置を確認できます。

手元にスマートフォンさえあれば、それ以外には、測定用の機器を用意する必要がありません。

また、GPSの信号を必要としませんので、地下街などでも、問題なく位置を確認することが可能です。

問題は、どこからの情報によって、正確な現在地を確認するのか、という点です。

これには「wi-fi信号」「加速度」「地磁気」というような、スマートフォンに標準で内蔵している、各種のセンサーから取得できる一般的な情報を利用します。

このうち、wi-fiに付いては、各アクセスポイントの位置情報を、データベース化したものを利用しています。

この情報に基づいて、手元にあるスマートフォンによって、どの程度の強度のwi-fi信号をキャッチできるか、ということを測定した結果から、各アクセスポイントとの距離を計算します。

さらに、気圧センサーからのデータによって、現在の階数を表示することも可能とのことです。

これまでのGPSを利用した位置測定が、平面的であることを考えると、この技術を利用したシステムの方が、より立体的な測定を可能とすることが理解できます。

また、この技術を採用しているスマートフォン側からも、現在値を測定するために計算した結果を、このデータベースに反映することによって、その正確性を向上できるように、設計されています。

CSR社では、この技術を利用したアプリのSDK(開発環境)を提供していますので、他のメーカーも、この新技術を利用したアプリを、容易に開発することが可能となっています。

ただし、iPhoneに付いては、iOS自体の仕様によって、測定したwi-fi信号に関する情報を、そのままアプリで利用することができないため、現在のところ、iPhoneに向けた開発環境は、公開されていません。

SiRFusionの道案内

2015年の2月に行われた公開実験では、実際に、東京駅の八重洲口の地下街を使って、正確なルート案内が可能であることを、確認することに成功しています。

実験には、この技術によって開発された、Android用のアプリをインストールしたスマートフォンが使用されました。

実際の運用の際には、wi-fiのアクセスポイントの数が少ない場合や、測定に利用する磁場に問題がある場合などに対応して、専用のビーコンを設置する方法が用意されています。

今後の予定としては、wi-fiよりも精度の高い位置測定を可能とする「Bluetooth LEビーコン」にも対応する予定とのことです。

各店舗を展開している企業が、独自にアプリを開発すれば、各店舗の近くで、スマートフォンを持っている人にだけ、特別なサービスを提供したり、道に迷っている来客を誘導したりできるような利用方法も、予想されます。

また、目の不自由な人が、スマートフォンからの音声に従えば、初めて訪問する先にも、無事に到着できるようなシステムも、開発できるのではないでしょうか?

さらに、専用のタグをつけるだけで、店舗や、倉庫などにある在庫の場所を、一瞬で確認できるようなシステムはどうでしょうか?

SiRFusionの可能性

以上のように、われわれの生活を、かなり便利のものに変えることができそうな新技術です。

各企業が自由にシステムを開発できるため、今後、多様な分野で、この技術を採用したアプリが登場する、と思われます。

また、現在、一般的に利用されているナビゲーションシステムも、さらに精度がアップするのではないでしょうか?

どんなに高性能なタイプであっても、一定以上の密集地帯では、どうしても正確性を欠いてしまう、現在のナビシステムを補完する意味からも、この新技術には、期待せざるを得ません。