NTT docomoの戦略 競争激化の業界でどう動くのか?

携帯電話を提供している国内企業として、まさに横綱であったNTTドコモの存在は、コバンザメがついても悠々と大海を泳いでいるクジラのようでした。

しかし、コバンザメだと思っていた相手が、急ピッチで巨大化して、横からエサを横取りするようになってはたまりません。

いつも横綱が優勝していると相撲自体の人気が多少落ちてしまうことがあるようです。

やっぱり、王者が本気をだしきって勝つ姿をたまには見たくなるのが、人間というものです。

遅ればせながら、目をさました強豪の様子を記事にしました。

 

強豪とはいえ、全てのエリアで最強の高速通信網を提供しているわけではないのが、現状です。

それによって、ライバル会社が付け入るスキがたくさんあるところが、この勝負を面白くしています。

提供するサービスの内容が少しでも他社を上まわる企業が、業界の盟主の座に近づくことができることは、当然です。

 

docomoの提案する回線新時代

いち早く、LTE回線を利用して、パケット化した音声信号を運び、高音質での音声通話を可能とする「VoLTE(ボルテ)」を提供することができたところが、通信会社としてのドコモの底力です。

複数の連続していない周波数帯を同時に利用して、高速のデータ通信を可能にする「キャリアアグリゲーション(略して、CA)」については、ライバルのauに先を越されましたが、その auの提供している高速通信(150Mbps)を超える通信速度の実現を予定しています。

 

ひとまず、今年度中にCAを利用した下り最大225Mbpsのサービスを開始します。

この段階で、auの提供している回線よりも高速のサービスの提供となります。

さらに、連続していない周波数帯を合計30MHz幅同時利用するデータ通信により、更なる速度アップを検討しています。

現在のCA技術を利用していないLTE回線でも、すでに150Mbpsを実現しているドコモの今後が楽しみです。

 

iPhoneの導入がもっとも遅くなったことにより発生した顧客流出を取り戻すことは、正直、困難な状況です。

 

それでも地力のある企業の本気をだしたところをみることができそうな勢いを感じる最近のドコモです。

auと同様に、現在のユーザーに対するサポートでも、特徴があるようです。

本来は、契約者のみが恩恵を受けることのできる「dマーケット」とよばれるサービスですが、これを他社に乗り換えても利用できるように変更したところが独自路線です。

 

docomoは、何を変えたのか?

dマーケットによるサービスの提供は、単なるユーザー対策ではなく、それ自体が利益をあげることを目的としたサービスです。

そのため、その中身は魅力的なコンテンツである必要があります。

それを簡単に利用することを目的として、スマートフォンの契約を、docomoへ乗り換えるユーザーもでてくる可能性があります。

 

通信業界において、圧倒的優位な存在であった昔のドコモが、すでに解約したユーザーも利用できるサービスを提供することを思いつくとは考えられません。

その頃の感覚では、一時的な気の迷いで、多くはその料金につられて、他のキャリアに乗り換えたに違いないと考え、数年たてば、通信環境への不満から、再びdocomoのユーザーにもどるに違いない、との認識を持っていたと予想します。

 

しかし、提供しているサービスの電波環境の面でも、その他の顧客サービスの面でも、一つのキャリアが圧倒的優位な存在になることは、まず無理と思われる現在の状況です。

黙っていても、客がやってくる、という殿様商売はとうてい成り立ちません。

各キャリアが、それぞれの知恵を出し切って、魅力的なサービス、コンテンツを提供するしか、生き残る術がないのが現在の通信業界です。

 

docomoは今後どこに向かうのか?

もっとも強力な存在として、これからも通信業界を牽引していく存在であり続けると思います。

しかし、競争はますます激しくなると予想されます。

通信速度の高速化競争にある程度の区切りがついたら、その後は、それぞれの通信会社が提供するサービスの内容と、提供するコンテンツを評価して、通信キャリアを決定することになります。

 

現在のように、契約期間の縛りを2年として、その間の解約を違約金によって防ぐビジネスモデルは、これからも継続して利用されるとは思います。

できれば、それ以外にも、なんらかのかたちで、顧客をつなぎ止める手段を考えることに成功した企業が、最後にトップになりそうな状況です。

歴史のある大企業に特有の、のんびりとした変革ではなく、顧客が腰を抜かすような戦略をとることにより、安定していても、顧客にとって必要な変化であれば、どこよりも早く実現できる企業として、ますますの成長を期待できる存在となって欲しいと思います。