キャリアアグリゲーションとは?

次々と発表されるモバイル回線の新技術は、どれもが驚くべき内容のものばかりですが、この記事で紹介する「キャリアアグリゲーション」も、かなりの驚きを持ってむかえいれられるべきものです。

carrier(搬送波)+ aggregation(集合体、集約する、凝集する、などの意味を持つ)で、carrier aggregation(キャリアアグリゲーション、略称「CA」)となります。

この記事では、高速通信を実現するモバイル通信の技術をできるだけわかりやすく説明することで、その驚異的な高速化の手法を身近に感じていただくことを目指しています。

 

すでに、一部のエリアでは、CAを利用した高速のモバイル通信サービスがはじまっています。

通信会社の設置している各基地局の設備の変更は必要ですが、理論的な計算によると、最高で下り1Gbps(=1000Mbps!!!)もの通信速度を、最終的に期待できるこの技術です。

どのような未来がモバイル通信のまえにひらけていくのかが、大変楽しみな今日この頃です。この最終目標ともいえる通信速度は、現在の一般的な光回線を利用したサービスと変わらない程度の速度です。

 

キャリアアグリゲーションによるさらなる速度アップ

簡単に説明すればするほど、この技術のすごさが実感できるのではないでしょうか?

つまり、これまでは一本の川で荷物を運んでいたとしましょう。

太さも、流れの早さもことなる川がすぐ近くを流れていても、それは単にとなりを流れている川以上の存在ではありませんでした。

 

荷物を運んでいる川の前方が渋滞していても、それが解消するまでは、待たなくてはいけません。

このような運搬方法で、どれだけ、時間を無駄にしてきたことでしょうか。

これが、運ぶ荷物を二つに分けて、二つの川で運べたらどうでしょうか?

もしも、片方の川が途中で細くなっていたら、再び荷物を一つにして、流れの速い方の川で運べたら、どうでしょうか?

 

最初から、二本の川でそれぞれ荷物を運べたら、荷物の量は2倍になります。すこし遠くを流れている川も利用して、利用する川を三本にすれば、さらに効率があがります。

このように、離れた場所を流れている川をふくめて、同時に五本の川を利用して、同じ目的地へ荷物を運べる技術が「CA」です。

実際には、川はそれぞれの「周波数帯」を、荷物は、「データ」を意味しています。これまでとちがい前方が渋滞していれば、他の川へ移動して、荷物を運べるところが素晴らしいところです。

 

キャリアアグリゲーションにたいする期待

これまでも、連続した周波数帯を利用する高速通信の技術は存在しました。

しかし、CAの技術では、全く異なる周波数帯(たとえば、800MHz帯と2.1GHz帯)を利用することが可能となりました。

これまでのように、周波数帯によって、混雑しているものと、そうでないものが存在していた問題がまず解決できます。

 

もう一点の問題が、現在のLTEの規格の限界でした。連続した周波数帯をまとめたとしても、20MHzの幅が規格としての限界ですので、理論的な最高速度は150Mbpsでした。

この点も、CAならば、周波数帯の異なる搬送波の20MHz帯 × 5(同時に利用できる周波数帯の数) = 100MHzの幅をデータ通信に利用できます。

100MHzの幅をデータ通信に利用できれば、その理論上の最高通信速度は、750Mbpsとなります。

これに追加して、送受信に使用するアンテナの数を現行の4本から8本へ増やすこと(8×8 MIMO)や、複数の基地局で電波信号の送受信をおこなうこと(CoMP)により、1Gbps( =1000Mbps)の最高通信速度も実現可能な数値となります。

 

キャリアアグリゲーションは、夢から現実になりました。

その他にも、高速通信をおこないながら高速で移動している場合の通信速度の低下を減らす技術も開発されているようです。

理論的には、時速350kmで移動中の高速データ通信も可能なレベルだそうです。

 

また、この新規格は、現在のLTEと互換性がありますので、新しい規格に対応した機器は、通常のLTEのエリアでも利用できます。

ここまでご覧いただいた方には、すでにこの新しい技術のすごさをご理解いただいたのではないでしょうか?

あとは、この新しい規格を利用できるエリアが、少しでもはやく全国展開されることを望むだけです。

このような技術を利用できれば、趣味でも、仕事でも、どれほどスマートフォン等のモバイル機器を触ることが楽しくなることでしょう。