ドコモはLTE-Advanced(LTEアドバンスト)で高速化

戦国時代においては、少しでも早く情報を掴んだ方が、圧倒的に有利になるのは歴史上の事実です。

また、武器の改良と、新しい戦法の研究を、常に怠らないことも大事です。

少しでも、相手より有利な立場に立ちたい、と思わない武将はいないでしょう。これは、現代の戦国時代、とも表現できる、通信の世界であっても同様です。

この場合の武器は、そのネットワークであり、新しい戦法とは進化した高速化技術を指します。

NTTドコモは、2015年の3月から、モバイル回線の第4世代の通信方式である「LTE-Advanced(LTEアドバンスト)」の提供を、開始することを発表しました。

この新規格は、現在の一般的なモバイル回線である「LTE」とは、互換性を保ちながらも、更なる高速化を実現できるものです。

理論的には、下り最大で1Gbps、と言うような、固定回線である光ファイバーと変わらない接続環境を可能とする技術です。

すぐには、この理論上の最高速を実現することはできませんが、まずは現在のLTEの回線と併用する形で、提供が開始されます。

 

LTE-Advancedとは?

LTE-Advancedとは、日本国内では、UQコミュニケーションズが提供を開始している「WiMAX2+(ワイマックスツープラス)」と並んで、次世代の通信規格として、4G(第4世代)の携帯電話、及びスマートフォンの標準規格として、採用されている方式です。

一般的には「第3.9世代」とも呼ばれている現在のモバイル回線の主力であるLTEと、基本的には同じ仕組みで高速のデータ通信を行いますが、更に新しい技術を導入することによって更なる高速化を実現しています。

今回のドコモの発表では、まずは下り最大225Mbpsの通信速度のサービスを展開する、とのことです。

そのため、複数の周波数帯を組み合わせて、利用することができる技術である「キャリア・アグリゲーション」を採用しています。

当初は、4つの異なる周波数帯を組み合わせて、合計で30MHzの帯域幅を使用することによって、この通信速度(下り最大225Mbps)の提供を可能としています。

また、近い将来には、東名阪地域限定で2つの周波数帯を組み合わせて、下り最大187.5Mbpsの通信速度を可能とするサービスの提供も予定しています。

 

LTE-Advancedの高速化技術

すでに紹介した「キャリア・アグリゲーション」以外にも、いくつかの高速化技術を採用していますが、例えば「4×4 MIMO(フォーバイフォー・マイモ)」と呼ばれているものです。

これは最近のwi-fiの規格にも、採用されている技術で、同時に使用するアンテナの数を4本に増やすことによって、現在よりもデータの伝送効率を飛躍的に向上するものです。

更に、基地局側のアンテナ1本で、同時に4本分のデータを伝送できる技術(Smart Vertical MIMO)を開発することに成功しました。

これによって、複数の端末と、同時に大量のデータのやり取りをすることが可能となります。

もう一つの新技術が、現在使用している基地局以外にも、カバーするエリアが、更に狭い基地局を設置して、両者を併用することによって、通信速度の向上を図る手法なども採用されています。

気の早い話、と感じる人もいると思いますが、通信業界では、東京オリンピックの開催される年(2020年)には、すでに第5世代(5G)の通信規格を採用した、新サービスの開始を予定しているとのことです。

それまでのつなぎとして、今回紹介した4G回線を、更に高度化した規格を採用することも検討されているようです。

正に、一カ所に留まることを知らない分野のようですが、これも競争に勝つために必要な動きなのでしょう。

しかし、その敵には、世界標準のモバイル回線の規格を開発することを目論んでいる、他の国の通信業界も含まれます。

 

LTE-Advancedの前途は?

日本独自の規格を、世界標準にすることに成功すれば、それによって得ることができる有形・無形の利益は非常に大きなもの、となります。

それには、現在利用している設備を、できるだけ活かすことができて、しかも高速のデータ通信を可能とする新技術が重要な武器となります。

必ずしも、通信の世界では国際的に高い競争力を持っている、とは思えない我が国の通信業界ですが、新幹線や、リニア モーターカーのように、他の国でも採用されるようなレベルになれば、日本本来の力強さを取り戻すことができるかも知れません。