データベースと名寄せ技術の関係

各企業が保有している大量の顧客情報は、言ってみれば、畑からとれたばかりで、泥だらけの作物のような状態です。

何故ならば、不要な情報や、間違った入力、と言うような汚れが付着しているからです。

それを綺麗に洗ってから、必要なデータのみが確認できる状態にして、やっとその価値が評価されます。

このように、不要な情報や、間違った入力などの汚れを取り去ったデータを確認して、正確にその中身を分類するためには、高度な「名寄せ技術」が必要になります。

この技術によって、重複した顧客データを無くすことができれば、これまで無駄に出費していた経費を、大幅に削減することが、可能となります。しかし、それには、いくつも大きなハードルが存在しているのが、現実です。

 

名寄せ技術とは?

データベースに存在している必要のないデータの削除、不正確なデータの修正などを行って、データの汚れを取り去ります。

これを「データ・クレンジング」と呼んでいます。例えば、電話番号の入力方法を統一していないと、局番の区切りとして「-」を入れる人もいれば、市内局番を「()」で囲む人もいるでしょう。

もしかしたら、市外局番を記入しない人や、全角文字で入力する人がいるかも知れません。

すでに、これだけでも、数種類の電話番号が存在しています。人間の目でみれば、同じ番号であっても、コンピューターの処理においては、そのままでは同じ番号とは認識されません。

この場合は、例えば、常に、半角で、市外局番を含めた電番のみを記入する形式へ統一する、などの方法によって、データ・クレンジングを行います。

その他に、氏名や、住所の表記なども、入力方法を統一しなければ、同じ住所でも、別人として、DM(ダイレクトメール)などを二重に送付する可能性があります。

現在の入力メニューの中に、不要な項目があるような場合も、そのメニュー自体を削除する必要があります。例えば、法人の顧客である場合にも、性別を選択する項目が存在している場合などです。

以上のような基準によって、データの汚れがなくなった段階で、初めて、同じ顧客が二重に登録されていないか、と言うようなチェック(名寄せ)が可能となります。

そして、最終的に、正確な顧客データのみを登録したマスター・データが完成します。この作業以降は、統一した基準によって、新規顧客の情報を入力する必要があります。それ以外の入力方法を拒否するシステムで、運用しなければいけません。

 

名寄せ技術の重要性

データベースに基づいて、重複がないように送付したはずの郵便物が、二重、三重に届いたり、または、他の部署でクレーム対応中の顧客に、新規契約のお願いで連絡を行ってしまったり、と言うようなトラブルが発生することはありえます。

これは、同じ顧客のデータが、別人として、複数登録されていることによって発生します。

特に、歴史のある企業ほど、コンピューターの登場前から、手書きの顧客名簿などを利用していた可能性が高くなります。

コンピューター上のデータベースへ移行する際に、何らかのミスがあったとしたら、顧客の流出を招くような、危険なシステムを、経営の基盤にしているかも知れません。

 

実際に、専門の業者によって、データベースのチェックを行うことによって、年間で数百万円のコストを削減できるようになった、と言うような例もありようです。

一度、現在のデータベースを目視でも構わないので、確認する必要があるかも知れません。

また、これから新たにデータベースを、構築する予定のある企業であれば、最初に統一した様式で、顧客情報を入力すれば、このような問題も避けることができます。

必ず、統一した様式以外でのデータ入力を禁止するシステムを、最初から採用すべきです。

データベース専用のソフトウェアを使用せずに、一般的な方法で、リストを作成する場合などは、特に注意しなければいけません。

 

名寄せ技術の効果

同じ店舗から、全く同じ内容のDMが届くようなケースは、珍しくありません。通常は、運営している企業のデータベースに、顧客情報が、二重に登録されていることが原因です。

直接、その企業に連絡して、事情を説明しないと、解決は難しいかも知れません。もしも、連絡をしていないのに、その問題が解消した場合、その企業が、データベースのクレンジングを行って、再度、名寄せを行った結果かも、知れません。

または、それまで手書きであった顧客名簿を、コンピューターの中に移行して、データベース化した可能性もあります。どちらにしても、同じ内容のDMや、電子メールを、二重に送付する行為は、意味のないことです。