Watson(ワトソン)はIBMが生んだ人口知能

2014年の10月に、米国のIBM社と、日本のSoftBank社が、人工知能型のコンピューターである「Watson(ワトソン)」の日本語対応版を、共同で開発することを発表しました。

このWatsonとは、IBM社が、英語版を開発済みの人工知能とのことですが、それはどの程度の能力を持っているのでしょうか?

更に、最近のニュースでは、三菱東京UFJ銀行がこのWatsonを金融業務へ導入することでIBM社と合意した、とのニュースも流れたようです。

それほど、魅力的な存在であるこのシステムは、どのような仕組みになっているのでしょうか?

また、どのような分野で、今後活躍することができるのでしょうか?

 

Watsonとは?

Watsonとは、英語のような自然言語を使用した質問に対して、その意味を、文脈も含めて理解した上で膨大な量のデータベースの中から、適切な回答を探すことができる人工知能です。

米国では、2011年に行われたクイズ番組において、人間のクイズチャンピオンと競い合い、最終的に勝利を収めることに成功しています。

ちなみに、この「Watson」と言う名称は、IBM社を現在のように、世界的な大企業にまで育て上げた旧経営者である「Thomas John Watson, Sr.(1914年1月14日~1993年12月31日)」の名前の一部をとって、命名されました。

自然言語を読み取って理解できるため、応用できる分野が非常に広くなります。

また、利用を重ねることによって、更に理解度を向上させることが可能なシステムとなっています。

そのため、単に、プログラムの追加によって、能力を向上するだけではなく、外部からの命令を受けるうちに、プログラムされた以上の能力を取得することが可能です。

このような特性があれば、自然言語で記載された書籍などの情報を、データ化して、蓄積することができますので、他のコンピューターのように、データを、そのシステムで読み込める形式に変換する必要もなくなります。

 

Watsonの能力

人間との対決となった、2011年のクイズ番組では、インターネットに接続していない状態で、複雑な問題の回答を、当時のチャンピオンと競い合いました。

この対戦に備えて、百科辞典などの多数の書籍の文章をスキャンして、データベース化した、とのことです。その情報量は、書籍にすると、約100万冊分であり、データ容量としては、約70GBに相当するものでした。

しかし、問題は、このデータの中から、質問に該当する部分を検索して、見つけた言葉を組み合わせ、正しい文章を完成させた上でモニターに表示することです。

しかし、この人工知能は、全ての処理を、約3秒、と言う驚異的な速度で終了して、見事な勝利を飾りました。将来、このシステムが、インターネットに接続されれば、更にパワーアップすることは、容易に想像できるところです。

 

これまでのように、新しい分野に対応させるために、新たに複雑なプログラムを記述する手法では、どうしても問題が起こります。

そのプログラム自体の欠陥によって、不具合が生じることもありますし、そもそも、一般的なコンピューターが、失敗から学ぶようなことはとてもできません。

その点、人工知能であれば、新しい分野であっても、最低限の範囲で、対応できるプログラムのみを、インストールしておくことができれば、後は、ユーザーの命令に対応することによって、徐々に高い能力を取得していくことが期待できます。

 

Watsonの将来は?

現在のところは、英語にだけ対応しているWatsonですが、もちろん、多言語に対応する日がかならずやって来ます。

将来的には、クラウドのサービスとして、インターネットに接続さえすれば、世界中のどこからでも、気軽に利用できるようなシステムになることが期待されます。

実際に利用した時間に応じて、利用料金を支払うことにすれば、一般の人でも気軽に利用できるサービスになりそうです。

まずは、企業の持っている膨大な情報を処理する役目が、最初の任務になるかも知れません。

他の機関でも開発中の人口知能型コンピューターなどと連携すれば、どのような未来が実現するでしょうか?

どこにいても、手元にあるスマートフォンなどに呼びかければ、すぐに、現在のトラブルを解決できるヒントや、現在の状況に、最も合致した情報を提供してくれるような、こころ強い存在が誕生することになります。

できれば、セキュリティ対策も含めて、全てのトラブルに対応できるような能力を持った人工知能が、インターネット上に君臨する世界を期待したいところです。