ワイヤレス給電システムの実現する理想的環境

大げさに言うと「向かうところ敵なし状態」とも言えるスマートフォンなどのモバイル機器ですが、一定の時間毎に電源を供給しなければただの冷たい小箱になってしまいます。

しかし、どのタイミングで電源を供給するのかが問題です。

外出中であれば充電することは困難ですが、クルマで移動している人であれば、有線のUSBケーブルを、常に接続しているのではないでしょうか。

しかし、もう少し、スマートな方法で充電することはできないでしょうか?

 

このような理想を実現することができる技術が、すでに複数の手法が提供されている「ワイヤレス給電システム」です。

このような技術を利用すれば、例えば、利用しないスマートフォンを、この技術を採用した台の上に、一時的に置いておくだけですぐに充電がはじまります。

これなら、有線ケーブルがどこかに絡まる心配もありません。また、そのケーブルを差し込む動作を何度も繰り返すことによる、機械的なトラブルを防ぐことが可能です。

 

ワイヤレス給電システムとは?

ワイヤレス給電システムとはUSBケーブルに代表される有線ケーブルの金属端子、コネクタを、スマートフォンなどの端末に差し込むことなく充電をすることができる技術です。

対応した機器の上に端末を置くだけで、すぐに充電をはじめることが可能です。

大きく分けると、電磁誘導、電波受信、又は共鳴によって、充電を行う方式が存在します。

すでに実用化されたものとして「電磁誘導方式」を利用したシステムが利用されています。

電磁誘導とは、離れた場所にある、2つのコイルの片方に電流を流すと、もう一方にも電気を流すことができる仕組みです。

 

この理論自体は、かなり前から一般的なものであり、すでに電気シェーバーなどでは、この方式を採用した充電システムが利用されていました。

この仕組みでは、電力の伝送効率が低い(最大でも、20パーセント前後)、と言う欠点がありました。

そのため、スマートフォンのように、大容量の内蔵電池を充電するには、コイルが異常に高温になることが避けられませんでした。

それに対応する、いくつかの技術革新によって、現在では、電力の伝送効率を大幅にアップ(約70パーセント)することに成功しています。

理論上は、スマートフォンと、充電装置の間に金属を挟むとそれが発熱する可能がありますが、実際には、充電する装置には金属を探知すると充電をストップする機能が搭載されています。

 

ワイヤレス給電システムの必要性

各メーカーによって、独自に策定された規格が乱立すれば、それぞれの規格毎に充電用の装置が必要となります。

これでは、これまでの有線ケーブル方式の充電器と同じ状況と言えます。

そのため、国際的なワイヤレス給電の標準規格として、低電力(5W以下)の充電器を対象とした「Qi(チー)」が、存在しています。

将来的には、更なる高電力(120W程度)にまで対応することが予定されています。

このような充電方式が普及するには、当然ですが、通信端末を提供しているメーカーによる対応が必要となります。

 

このような電磁誘導を利用した方式以外にも、超音波の技術を採用した方式が開発中とのことですが、現在利用されている方式も技術的な進歩によって、将来的には充電装置からある程度離れた場所にある通信端末に対しても、給電することが可能となりそうです。

これからの発展が期待される分野となりますが、まだまだ電力の伝送効率の面で改善の余地がありそうです。

将来的には、充電を意識することなく、一定のエリア内で、スマートフォンを持っているだけで、自動的に充電されるような利用形態が一般的になることが予想されます。

 

ワイヤレス給電システムのこれから

イザという時にスマートフォンが電池切れと言う状況は、誰でも一度は、経験のあることではないでしょうか?

手動で充電しなければ、継続して利用できない機器では、完全な存在、とは言えません。

それを、完全な存在にすることができるこの給電システムは、これからも新しい技術が導入されて更に発展する分野と思われます。

離れた場所でもワイヤレスで給電する技術が本当に確立されることによって、どれほど、我々の生活が便利になるのかを想像すると、その期待感で、ワクワクすると思いますがいかがでしょうか?