3Dプリンターとは?

便利な物ほど使い方を間違えると、その被害が大きくなることは、これまでもあらゆる分野で実証済みの法則です。

通常、便利な物は目的が簡単に達成できるように、できるだけ無駄と思われる機能を省くように設計されています。

しかし、その省略した部分が、実は、間違った使用方法をギリギリのところで防ぐ効力を持っていた、ということが起こりがちです。

 

現在、良い意味でも、悪い意味でも、話題になることが多い「3Dプリンター」なども、その典型です。

本来は、もっと専門的な名称で1980年代の終わりには製品化されていましたが、その後の新技術の開発による低価格モデルの販売と、現在のような分かりやすいネーミングによって、一気に知名度が大幅にアップしたパソコンの周辺機器です。

実際には、どのような魅力がある製品なのでしょうか?

 

3Dプリンターとは?

これまで、一般的に利用されてきたプリンターが、パソコンなどのデータを、紙の上などに平面的に印刷するのと異なり、3Dデータに基づいて立体的な作品を作成することができるプリンターです。

以前は、非常に高価な製品が、主に製造、建築、医療などで、利用されてきました。

最も高額なタイプでは、1億円を超えるような製品もあるようですが、最近では、一般家庭でも利用できるような、コンパクトなタイプが10万円を切るような価格帯で販売されています。

 

製品ごとに、立体化する手法が異なりますが、一般的には「熱溶解方式」を採用しているタイプが、家庭用として、利用されているようです。

この方式では、加熱して溶けた樹脂を、3Dデータに基づいて、積み上げる方法によって、作品を作成します。

その他にも、特殊な材料に光を当てる方式や、レーザー光線を材料にあてて、固める方式や、塊になっている材料を削っていく方式などがあります。

最近では、フルカラーの作品を作成できるタイプも、少しずつ登場していますので、将来的にはカラーで表現された3Dデータを、そのままの色で出力できるタイプが一般的になると思われます。

 

3Dプリンターの可能性

可能性の塊とも、魔法の機械とも、評価されている機器ですが、実際にも、あらゆる分野で有効利用されています。

医療の分野では、患者の各器官と同じものを作成することによって、手術前に、治療方針を検討する材料として利用したり、骨格の一部をこの機器で作成したもので代用したり、と言ったような方法も実際に採用されています。

最近のニュースでは、宇宙空間において、宇宙ステーション内の修理に必要な道具を、その場で作成することに成功したとのことです。

これからも、更に活躍する分野が、増えることは確実と言えます。

 

しかし、悪利用する人も増加しているようです。

実際に、武器を作成することができる3Dデータが、インターネット上で公開されている、とのニュースも流れました。

このような利用方法は、十分予想できる範囲内ではありますが、実際に、ニュースとして流れると、非常に恐怖を感じるところです。

理論上は、形のあるものであれば、なんでも作成できる技術ですので、爆発物であれ、戦闘機であれ、設計図となる3Dデータさえ手に入ればすぐに作成可能です。

後は、出来上がった部品の強度が、更に向上するようになれば、基本的に武器の輸出を制限する意味はなくなります。

もちろん、わざわざ武器を輸出する必要もなくなります。

 

3Dプリンターの今後は?

期待と、不安が同居している感覚を、ほとんどの人が、感じているのではないでしょうか?

これほど、悪利用されそうな技術も、珍しいのではないでしょうか?

しかし、自動車や、コンピューターも、やはり、利益と損害が表裏一体となった技術の代表と言えます。

乗用車のように登録制度にして、作成した作品毎に製造番号を刻印することを、義務付けるような対策が必要になるのは、そんなに遠い未来の話ではなさそうです。

 

特に、家庭用の3Dプリンターの価格が下がり、作成する作品の精度と強度がアップすれば、誰でも簡単に、各種の道具を手にすることが可能となります。

そうなれば、大きな機械のパーツを個別に作成して、それを組み合わせることによって、更に大きなものを完成させることが可能となります。

それがトラクターや、乗用車ならまだしも、戦車や長距離ミサイルでは困ります。

問題が起こってから、対策を考えるようなことでは、すでに遅すぎると思われますので、製造業界が率先して早急な対応を検討すべき問題では、ないでしょうか?