スループットとは?

車やバイクのスピードメーターが、例えば時速300キロメートルまで刻まれていても、そこまで出す人はあまりいないと思います。

もちろん、一般道では、その半分のスピードであっても、非常に危険な行為となります。

車のオーナーも、自分の車で時速300キロメートルの速度で、走ったことが一度もないからと言って、車の性能を疑うことはしません。

極限状態になるまで走らなくても、その車の安定性や運動能力は極低速で走行しても感じることができる部分だからです。

しかし、これが通信の世界になると、多少事情が違ってくるようです。

 

特に、スピード違反の取り締まりなどは、行われていない世界ですので、できるだけ早くて安定した通信品質を求めて、理論上の通信速度が、最も早い製品を高額であっても購入する人は何を期待するでしょうか?

やはり、その理論値と全く同じ通信速度は無理にしても、できるだけ、それに近い速度でデータ通信を行うことを望みます。

そのような場合に、その通信規格の理論値ではなく実際に利用する際に期待できる通信速度にできるだけ近い数値として、参考にできるのが「スループット」と呼ばれている数値です。

 

スループットとは?

例えば、有線LAN環境を利用した通信を行う場合に、その通信規格で規定されている通信速度が、例えば「1000Mbps(=1Gbps)、100Mbps」などのように、切りの良い数値で表示されています。

ところが、それとは別に「スループット」として、中途半端とも言える数値が、メーカーによって開示されていることがあります。

一例として、バッファロー社の製品であるGiga(=1Gbps)対応の有線ルーターである「BHR-4GRV2」のメーカー公式サイトを確認すると、スループットは「839.0Mbps」であると、表示されています。

つまり、どのように通信経路の条件が良くても、これ以上の通信速度は期待できません、と言うことになります。

バッファロー社では、この製品を、サーバーと、Windows XPを搭載したパソコンの間に設置して、実際に、300MBのファイルを転送して速度を測定したようです。

このように、実際に、その製品を利用してテストを行い、その計測した数値を、スループットとして公開すれば、それは、購入を検討しているユーザーにとって最も有益な情報となります。

実際に、このようなテストを行わないで、理論上の数値として、スループットの数値を計算することもあるようです。

 

スループットはなぜ理論値よりも低いの?

どうして、通信規格で定めている理論上の通信速度と、実際の通信速度の間に差があるのでしょうか?

これは、データを送信する際に、単に送信するデータだけをそのまま送信するのではなく、一定の大きさへ小分けにしてそれに宛先などの情報を追加したパケットとして送信することによります。

このような送信方法であれば、どれだけ大容量のデータであっても送信することが可能ですが、それぞれのパケットが、無事に届いたかを確認する機能や届いたデータのエラー訂正や、データの圧縮と復元などの動作も同時に行う必要があります。

それだけ、データの処理にかかる負担が、増加することになります。

 

その他にも、設置場所によっては、外部からのノイズによる影響や、途中で、旧式のルーターなどを経由することによる、通信速度の低下なども予想されます。

つまり、同じGiga(=1Gbps)対応の有線ルーターであっても、その転送速度は、実行スループット(実際にテストで、確認した数値)によって、比べる必要がある、と言うことになります。

また、利用しているパソコンなどの通信端末の処理速度によっても、ある程度の差が出るのが通常です。

 

スループットを少しでも高くするにはどうする?

できるだけ、データ転送の経路を単純化することから初めてはどうでしょうか?

今後のことを考えて、配線の途中にHUBなどの分岐を入れて、パソコンを有線接続しているとします。

例えば、そのHUBの規格が、最大でも、100Mbpsまでしか対応していなければ、光回線などを契約しても、その通信機器の実行スループット以上の通信速度は期待できません。

無線ルーターなどを、最近の機種に入れ替える場合には、配線(LANケーブル)も含めて、すべての通信機器を、最新の通信規格に対応したものへ交換しなければ、良い結果(=実行スループットの向上)は、期待できません。

 

その他にも、有線接続できる環境であるにもかかわらず、Wi-Fi環境を経由してネットワークへ接続している場合は、できれば有線接続へ変更することをお勧めします。

もっとも、最近のWi-Fiの通信規格も、以前に比べると大幅に通信速度が向上しましたので、現在利用しているパソコンなどの通信端末が、そのような最近のWi-Fi規格に対応しているのであれば、現状維持でも特に問題はありません。

しかし、少しでも、実際の通信速度を向上させることを、希望するのであれば一度有線ケーブルに替えてみてはどうでしょうか?